【WRC 世界ラリー選手権】第14戦 ラリー・サウジアラビア
WRC(世界ラリー選手権)今季最終戦が11月29日まで開催されたが、競技3日目にフォードのマシンにトラブルが発生し、著しく失速しながら走行する一幕があった。
ラリー・サウジアラビアは、ほとんどのステージが砂地か岩場のグラベル(未舗装路)ラリーで、デイ3のSS14は、路面に大きな石が散らばる山岳地帯を駆け抜けるステージとなっている。路面はドライコンディションだが、滑りやすくパンクしやすい難コースだ。
WRC1カテゴリーで最初に走り出したのは、カタール出身のナセル・アル・アティヤ。ダカールラリーで総合優勝5回を誇る54歳の大ベテランで、Mスポーツ・フォードからスポット参戦した。しかしステージ終盤に入ったあたりで、マシンのスピード上がらない様子だ。
これを見た解説で自動車ジャーナリストの山本シンヤ氏は「パワステが効いてないぞ」と言及。アル・アティヤのステアリングを操作している手は小刻みに震えており、見るからに重そうである。この影響により全速を出すことができず、アル・アティヤのマシンは40km/h以下の低速で走ることになってしまった。
結果的になんとかステージを最後まで走り切ったアルアティヤは、フィニッシュ後のインタビューで、「本当にハンドルが重かった。最後の5キロくらいからパワーステアリングがまったく効かなくなってしまった」と言及している。
なおアル・アティヤは、競技3日目終了時点で総合9番手とベスト10圏内をキープしている。最終日に順位を落としたが、総合15位でフィニッシュした。(ABEMA『WRC 世界ラリー選手権 2025』/(C)WRC)
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