■結論ではなく「相手が何を求めているか」を前置きする
夫婦の会話術について、千葉氏は「結論よりも、相手が何を求めているのか前置きを入れることはすごく重要。『私は今こういうことを求めているから、こういう会話をしようよ』という前提を共有することによって、すれ違いをなくす、お互いわかっているだろうと思わないこともできるので、すごく重要だと思う」と見解を示した。
「本来、お互いのためになりたいと思って2人で生きていると思う。どうしても何年、何十年もいると、わかっているつもりになってしまう。でも、人間は意外と言葉にしないとわからない」(千葉氏)
千葉氏が代表を務める話し方トレーニング「kaeka」では、夫婦のコミュニケーションに活かすことを目的に通う受講生が増えている。
夫婦で子育てをしている受講生の中に、夫婦関係に変化があったという事例がある。結婚21年目の男性(48)は、「(妻に)話をしても、よく聞き返されるなぁ……」とモヤモヤを抱えていたが、受講を通して、部分的にゆっくり話す“緩”をつけて緩急のある話し方になったそう。すると、妻から聞き返されることがなくなり、1回で話がわかるようになったという。
千葉氏は、「これは些細なことのようで重要。聞き返されると『なんで聞いてくれてなかったんだろう』とモヤモヤが生じることがあるが、ちゃんとした声の出し方や伝え方に取り組むことによってコミュニケーションを円滑にするというのは重要だと思っている」と説明した。
また、「ビジネス目的で話し方トレーニングを利用する人の中には、これまでは家庭内では子どもの話が多かったのが、結果的に『世の中でこんなことがあったよね』『こういう計画を立てて旅行に行ってみよう』というように未来の話、視野が広がった話ができるようになったという顧客もいる。結局、1対1のコミュニケーションでも、相手にどう思ってもらいたいかを考えるのが重要。これはビジネスだけでなくプライベートも同様だ」と語った。
夫婦のコミュニケーションで大事な3つのポイント
