原作漫画で、「ひでぶ」と叫んで死ぬのはハート様だが、アニメ版では、このザコ敵が記念すべき初「ひでぶ」を飾っている。声優のアドリブもあって、「北斗の拳」にはほかにもユニークな断末魔の叫びが多数出てくるが、「北斗神拳」を食らった敵が爆散するときの「ピプー」という効果音がセットで記憶に残っているファンも多いことだろう。妙にポップな響きには、ショッキングな絵面を中和させる意図があったのかもしれない……?

 アニメ「北斗の拳」は、原作:武論尊氏、漫画:原哲夫氏により「週刊少年ジャンプ」で1983年~1988年まで連載された大ヒット漫画が原作。暴力が支配する世界で、北斗神拳の伝承者・ケンシロウが愛と哀しみを背負い、救世主として成長していく物語だ。TVアニメや劇場版、脇役たちをフィーチャーした外伝が作られるなど社会現象と言えるブームを巻き起こし、今も熱い支持を集めている。

(C)武論尊・原哲夫/コアミックス・東映アニメーション 1987