■日本のエンタメは好き、でも日本は嫌い 中国の本音
朱氏によると、「中国ではネットの意見が分断している。『我々はただ歌を聴きたい民間人だ』といった発言も、逆に『エンタメを楽しんでいる場合じゃない』という内容もある。実際の声も『ねじ込んでも給料は上がらない』『払った旅費は戻らない』などと、政府に賛同している人は多くなさそうだ」という。
佐々木氏は「中国国内で『政治が口を出すな』と言う人が増えるのは、日本のソフトパワーの高まりを意味するのではないか。音楽やアニメ、マンガ、食事などは、世界中に影響力を与えている。軍事力と経済力の“ハードパワー”に対して、文化的なソフトパワーが強大であり、中国に影響を与えるのはいいことだ」と考える。
この意見に小林氏は、「外交は内政の先にあり、国民の世論によって、外交姿勢も変わってくる。中国もそこを気にしているなら、日本のエンタメを失ったことへの批判が強ければ、今後コンテンツの取り扱いが変わってくる可能性がある」と反応した。
周氏は「中国国民の日本に対する反発は根強く、政府にどんな不満があっても、大半の国民は一致団結する。怒りを表しているのは10%程度でも、実際には30〜40%いるだろう」と推測する。「『日本文化は好きだけど、日本は嫌い』という人はいっぱいいる。いままでの教育のせいだろう」。
■今回の関係悪化、落とし所は?
