■「厳しい現場です 1ミリも楽しくありません」おもしろ看板が話題に
デジタル全盛と言われる今、看板のようなアナログ広告にはどこまで効果があるのか。SNSで先日、パート・アルバイト募集としながら、「厳しい現場です 1ミリも楽しくありません」と書かれた看板が話題になった。ネット上では「この求人を見て 来る人はいるのだろうか」「誰も来なさそう」「不思議 これにOK出す会社、絶対に楽しいだろうと思えてくる」といった声が出ていた。
この看板を出したのは、岐阜県にある中華料理のローカルチェーン「サンコック」だ。店先には写真を撮る客の姿があり、「これは来たいなと思う。『厳しい現場です』とは今の時代なかなか言えない」「ご飯もおいしい。味と看板の印象が残ってまた来たくなる」と話す。
サンコックは現在、岐阜県西部に5店舗展開し、お昼時にはいつも満席となる人気店。看板には他にも「F1で15秒」「雑巾掛けで8分」「ヘリコプターで4.3秒」といったものもある。
このおもしろ看板は2021年、台風で看板が損失し、客数が減少したことから誕生した。社長の「どうせ作るならふざけた看板を作ってみろ」という一声から制作すると、反応は上々。看板見たさに新規客も増加し、今ではネタ看板9枚(通常看板3枚)が掲示されている。売上効果は、客数が2~3割アップし、売上も1店舗あたり月100万〜200万円上がった。なお維持費は12枚で月80万円だという。
サンコックの中島玄裕専務によると、「看板自体をSNSに上げたことはなく、みんなお客さまの投稿。岐阜県は車を1人1〜2台持っているほどの車社会だが、うちの看板は交通量が多いところではなく、田んぼ道のど真ん中にいきなり出てきて、『またサンコックがなんかやってるぞ』となる」という。
先日、コンビニで「子どもが見つけたから」と車から降りて記念撮影をしていた親子に遭遇したそうで、「売上にもしっかり影響が出ている」と効果を語った。
■デジタルにない、アナログ広告ならではの強みとは?
