WWE公式Xが「言葉がない…」と投稿したこのバッドエンディングは、瞬く間に81万再生を突破。ファンの反応は、感情的な拒絶と、冷静な称賛が激しく衝突。怒れるファンからは「ふざけるな、もう二度と見ない」というボイコット宣言や、「引退試合で負けさせるのはやめろ」「“ネバーギブアップ”がただの“ギブアップ”になった」と、英雄のモットーが最後の最後で崩壊した事実を嘆く声が殺到した。
一方で、プロレスというエンターテインメントを俯瞰的に捉えるファンからは、「みんな、これがプロレスブッキングの基本だ。世代交代なんだよ」や、「諦めない男がついに諦めた。だからこそ完璧な結末だ」「彼の時代が終わったことを示す完璧な方法だった」と評価する声も上がっている。
2025年、衝撃的なヒールターンから「レッスルマニア」でのWWE統一王座再戴冠、ベビーフェイスへの回帰、そして11月のインターコンチネンタル王座奪取によるグランドスラム達成――シーナは引退ロードで考え得る限りの栄光を掴み取ってきた。それだけに、この“敗北で終わる最終章”を受け入れられないファンが多いのも無理はない。
英雄の最期は正解だったのか、それとも取り返しのつかない選択だったのか。タップアウトという結末は、感動ではなく「問い」を残したまま、ファンの心を引き裂いた。世代交代の象徴と捉える者もいれば、GOATへの冒涜だと糾弾する者もいる。どちらの言い分にも一理があるからこそ、この結末は簡単に消化されることはないだろう。
ジョン・シーナの引退試合は、拍手で終わるはずだった物語を、議論と怒り、そして解釈の戦場へと変えた。この決断が正しかったのかどうか――その答えが出る日は、まだ当分先になりそうだ。
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