■投資にも回らない資産をどう動かすか
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は、「お金をある程度稼いで、運用した資産で老後を安心して暮らせる人が、できるだけ多い方がいいと思っている。資産だけで食える人は税率を高めにして、資産が足りない人は、どんどんお金をためやすくする方が、金持ちが増えて、労働意欲も増える」と考えている。
加えて、「年収30億円といった人々は、働いて稼いだというより、大金持ちの息子たちではないか。土地や会社を持っている祖父母から譲り受けたといった人々で、頑張ったから資産を持っているわけではない。たまたまそのポジションにいた人だけが得をするのはどうなのか」とも語った。
近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は、「東証マザーズなどの新興市場が整備されてからの20年間、起業家の数は増えたが、それが日本経済のためになっているかは疑わしい。上場時に創業者が株を売れるのは日本ぐらいで、それを元手に経営より資産運用に行く人が多い。時価総額が上場時を上回れない企業は、株式市場から撤退して欲しいが、そうはなっていない。なおかつ所得が資産運用に移ってきている」と課題を示す。
笑下村塾代表のたかまつなな氏は「資産課税もしっかりやるべきだ。社会保険の『負担できる人が負担する』応能負担をしっかりするためにも、『非課税世帯だが多額の資産を持っている人』がわからない仕組みになっているのはおかしい。給付付き税額控除なども、資産をしっかり把握してから議論すべきだ」と指摘する。
ひろゆき氏も資産課税の重要性を説く。「何もしなくても数億円入ってくる人が、税率が低いのは良くない。一定以上の資産を持つ人は、より課税額が高くなるべき。フランスの不動産には資産課税がある。若者が低い税率で財産を作り、安泰だとなってから資産課税にする方が、ふつうの人でも資産家になりやすい」。
相続税については「良くないと思う。親が90歳で死に、その財産を60歳の子がもらっても死蔵するだけだ。昭和の時代は、60歳の親が死に、40歳が相続して、それを元手に起業しようとなった。今は“死んだお金”が高齢者の間でグルグル回っているだけ。資産課税だと、高齢者になる前から少しずつ取れる。死んだときだけでなく毎年取れるため。より若者にお金を使いやすくなる」と語った。
(『ABEMA Prime』より)

