だが、心は限界を迎えていた。偶然、街頭ビジョンに映る麻生の笑顔を目撃したことで、それまで抑圧されていた「ものすごい怒り」が初めて爆発する。

「あいつの罪が裁かれてこの世界から消えない限り、私は一生、自分の人生を取り戻せない」

 この強い信念こそが、莉子を告発へと突き動かした原動力だ。莉子の壮絶な告白を聞いた新興芸能事務所Rafaleの社長・井岡咲(柴咲コウ)は、莉子の状態を「被害を受けたという事実から心を守るため、あえて他人事のように距離を取る」解離という現象であると説明し、莉子に「自分を責める必要はない」と断言。咲と姉の奏(川口春奈)は、この性加害を「優越的な地位を利用した悪質な行為」と断じ、莉子の言葉を信じて、麻生の罪を暴くための裏付け調査を開始する覚悟を決める。覚悟を決めた莉子に、どんな未来が待っているのか。

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