■夫の浮気を一度は我慢も…

 つくしさんは、24歳で職場の先輩と結婚後、転勤が多く専業主婦になった。しかし28歳で夫の1度目の不倫が発覚。離婚届を提示するも「もう終わったこと」と言われ、一度は許すことに。しかし以後、不倫の事実と許した事実で苦しんだ。

 当時の状況を、「結婚4年目で仲が良かった。子どもを作りたいと思い、家庭について2人で前向きに考えている時期だったため、私のほうが折れてしまった。どこかで関係が変わってくれるのではと、最後の最後まで思っていた。結婚時に母親が反対していたこともあり、『何としても幸せにならなきゃ』という気持ちから別れられなかった」と語る。

つくしさんが熟年離婚するまで
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 不満を募らせる一方、離婚に踏み切れなかったのには理由があった。「50〜60代からの仕事は何があるか。専業主婦になりキャリアがゼロで、パートに踏み出すことも大変だ」。1人で生きていく不安を抱えながら、49歳の時に夫が2度目の不倫をしたことが決定打になった。

 つくしさんは、趣味だったピアノ講師を仕事にして、SNSでみずからの境遇を発信するなど、自分らしく生きようと歩き始めている。

■熟年離婚 増加の背景
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