同業者も憤っていた。北陸の「サウナの聖地」と名高い富山市にあるスパ・アルプス マネージャーの倉知悟氏は「(扉が)ドアノブ式だった、非常ベルが鳴らなかったという点であり得ないこと。通常ではないことが起きてしまったのかなと思う」と語る。倉知氏は25年で10施設に勤めたことのあるベテランだ。

 四半世紀にわたるサウナ勤務で「ドアノブ式のサウナ室自体を見たことがない」という。「浴室自体が湿度が高いところで、サウナの中になると温度が高温になるので、通常の環境ではない場所に通常のドアノブを設置するのは危険。お客様は塩分と汗を含んだ濡れた手で勢いよく、(扉を)開け閉めするので壊れやすい。特に個室だと誰も見ていないので、多少荒い使い方も想定しておかないといけなかった」と警鐘を鳴らした。

 客は1秒でも長くサウナに入りたいし、出るときは1秒でも早く出たい。そのため、扉は「押すだけで開く」のが常識だという。

 非常ボタンについては、「どこのサウナでも事務所があれば事務所、もしくは必ず人がいるフロントの周辺で警報音が鳴るようになっているので、スイッチをつけたことがないというよりは、消したことがないところが大半。おそらくそんなに頻繁に鳴るものではないと思う。でも必ず鳴ったら本当にダッシュで駆けつける」と語った。

「安全とか安心とかよりも、『おしゃれに』『今風に』『“映える”サウナを個室で作ろう』というふうに、SNSとかも発信できたり、そんなところに向けた方がお客様は来る。(大衆サウナとは)別の業態」(倉知氏)

「絶対にもう一度起きてはいけないこと。確実に防げることだと思うので。みんなが楽しく、より安全になるサウナ界になったらいいなと思う」(天木)

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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