■ 「美人でないから」テレビ出演で激しい批判も…
「女のことでは歳や結婚のことしかないのは残念。弱い人がいつもやられてしまう。弱い人がまた弱い人にやられてしまう」(1992年、テレビ番組での田嶋氏の発言)
1992年、イギリスチャールズ皇太子の不倫発覚。ダイアナ妃と別居の報道に関しても、ズバリ「イギリスの皇室の中は非常に封建的。女の人の立場が悪いし。それをダイアナ妃が嫌だって言った。夫の浮気も許さないと一言言ったら立憲制がガタガタして」と語った。
同年、アメリカ大統領選に勝利したビル・クリントン氏。その妻で注目されたヒラリー・クリントン氏についても、こう分析した。
「ヒラリーさんは自分のキャリアを持っていて、夫よりも収入が多かったり、下手すると夫より政治能力があるかもしれない。ニューズウィークに面白いこと載っていて、ヒラリーさんは今のとこる『We We』と言うそうだ。夫を通して業績を作るようなまねをしないで、ちゃんと『Hillary』の名前でホワイトハウスでファーストレディーとしてね、どれだけのことをやれるかやってみて……」(田嶋氏、以下同)
こうした鋭い意見で人気を集めた一方、同時に激しいバッシングや批判も受けた。田嶋氏は当時のバッシングの背景について「私が美人でないというのは1つ原因だった。美人だったら違ったと思う。主張まで曲げられたというか、『ブスで男にモテないからあんなことを言っている』みたいな風潮があった。性別役割分業として男は男らしく稼いで、女は女らしく家事労働や子育てをやってというのが当たり前だと思ってみんな育てられてきた。私がそれは違うよと言ったことに対して、女として生きてきた人たちは存在が揺らいでしまうのがとても不安で嫌だったと思う」と分析した。
「私は当時50歳だったから、失うものは何もなかった。どんなにバッシングされても平気だったけれど、やっぱり言われた側の人は今まで正しいと思って生きてきたから、すごく不安になったと思う。だから少し言い方を変えればよかったけど、当時は男の人にバッシングでボコボコにやられていたから、言い方なんか工夫しないで思っていることバンバン言っていたから、余計みんなにいじめられたと思う」
「結局フェミニストたちにも悪口を言われた。なぜかといえば、その人たちはみんな良妻賢母で結婚しているのね。そういう中で、私がそういう事言っても、その人たちは身を守らなきゃいけない。しかも私がフェミニストとして笑い者になっている。男の人に笑われているということは、自分たちのプライドも傷つけたかもしれないよね」
「でも一番最初にテレビに出た後の帰りに電車に乗っていたら、子供連れた若い女性がスーッと寄ってきて。涙流しながら『先生よく言ってくれました』って」
フェミニズムは「男嫌い」ではない「女性を1人前扱いしないと貧しい国になる」
