■ 国民民主「年収の壁」178万円合意も…「100点満点の主張が通ったわけではない」
急速に自民との距離を縮めたのが、年収の壁の引き上げを掲げてきた国民民主だ。「これからの連携のあり方については、より強化していきたい」(玉木雄一郎代表)
18日に行われた党首会談で、働く納税者の8割にあたる年収665万円以下を対象に、年収の壁160万円を178万円に引き上げることで合意。玉木代表は来年度予算案の成立に向け、協力する考えを示している。
玉木代表は今回の成果に対し「ともに関所を乗り越えることができた。信頼関係はより醸成された。これからの連携はより強化していきたい」と手応えを語っている。
この合意について伊藤氏は、水面下での激しい交渉があったと分析する。「本当にギリギリまで交渉されていたとうかがっている。締結される4時間前まで意見が割れていたという話を聞いている。そういう意味では、この笑顔の裏にも相当なご苦労と汗があるのだろう」。
また、自民と国民民主の政策の親和性については「高いとみている」として「積極財政という点でも一つあり、年収の壁の引き上げは高市氏が総理になられる前から3党合意という形で、『やりましょうね』と水面下でのやり取りもされていた」と説明した。
一方で、今回の合意内容が国民民主の当初の公約(2024年時点)とは開きがある点に関しては「100点満点の主張が通ったわけではないというのは、国民民主も自民も思っていることだろう。少数与党下で法案や予算を通さなければならない中で、両党がギリギリまで交渉して、ある意味妥協し、譲歩しながら割りあてたところがある。今回は少なくとも年収の壁をずっとペンディングするのではなく、今年度の税制改正のところに動かせたという点は成果としてみられるのではないか」との見方を示した。
自民が国民民主の希望をのんだ背景については「1つは来年の本予算の成立を見据えてのこと。やはり予算を通さなければ大変になるところがある中で、それを約束するためにも3党合意があった。元々高市氏は、総裁になられる前から3党合意をちゃんと守るべきだと主張されてきて、それをできるだけ早く今年の税制改正に合わせてやるために次の一手として受けた」と分析した。
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