そして咲は、性加害モンスター・麻生こそ古き芸能界の悪しきシステムの中で作り出されてしまった負の遺産だと分析。「マネジメントサイドはトップ俳優である彼に誰も何も言えなかった。彼の犠牲となった女性たちも声を上げる事でキャリアを失う恐怖があった。そうして暴走は見逃され、取り返しのつかない被害が生まれてしまった。これは俳優個人の暴走を黙認した業界全体の沈黙と無責任による人災」と断言する。
咲自身も、KODAMAプロ所属時代には様々な忖度や配慮に目をつぶらざるを得なかったと自省しながら「過去を悔やむだけでは何も変わらない。私たちが終わらせなければいけない『構造』が確かにある。忖度、沈黙、犠牲の上に成り立つ成功。その仕組みを次の世代に引き渡してはいけない。その構造を終わらせることが、今を生きる私たち当事者の責任の取り方だ」と熱弁する。
さらに視聴者に向かって語り掛けるかのようなカメラ目線で「変わるには勇気が必要です。声をあげる事は痛みを伴います。でもそれでも私は信じたい。私達には変わる力があると。変わるのは誰かではなく、私たち一人一人。未来は待つものではなく作るものです」と訴え「今この瞬間がその始まりになればと心から願っています」と結んだ。
あくまでドラマの中のセリフである。しかし咲のこれら提言は創作の枠を超えて、現実の芸能界及び社会、そして世界全体にも届くべき名スピーチと言える。最終回を通して視聴者は本ドラマが描き、訴えたかったメッセージをどのように受け取るのか?反響に期待したい。
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