世代を超えて愛される作品を生み出し続ける人気漫画家・あだち充氏の画業55周年を記念した「―画業55周年記念― あだち充展」が、2025年12月19日(金)〜2026年1月14日(水)にて開催されている。本記事では、会期前日の12月18日(木)に実施された、あだち氏と声優・日高のり子のスペシャル対談の模様をお届けする。
55年の漫画家生活の中で『タッチ』『みゆき』など数多くの代表作を生み出したあだち充氏と、『タッチ』の浅倉南役を務め、「―画業55周年記念― あだち充展」では音声ガイドナビゲーターも担当している日高のり子。登壇してすぐに日高は「マイクを持ってあだち先生と人前で話すのが初めてなんです!」とコメントする。
展示の感想を求められたあだち氏は「こんなに大ごとになっているとは思わず、ノコノコ出かけてきたことを後悔しております」とあだち節で回答していた。
展示内容に合わせて代表作を振り返るトークが展開され、まずは同時期に連載されていた『みゆき』と『タッチ』の話題に。『みゆき』は1980年から「少年ビッグコミック」にて、『タッチ』は1981年から「週刊少年サンデー」にて連載がスタート。あだち作品を代表する2作品は同時に連載されていた期間がある。
「55年画業をやっていますが、『みゆき』を始めてから5年くらいはほとんど仕事の記憶しかなく、真面目に働いていた期間だと思います。ほんとです」と、あだち氏は当時を振り返る。
日高は『みゆき』の連載開始年について「私が歌手デビューした年だなって思いました。まだ声優になる前のお話ですけれど」と振り返り、音声ガイド収録の裏話として『みゆき』と『タッチ』が同時に連載していた事実を初めて知って驚いたことを明かしていた。
登場人物に多くを語らせないあだち作品の表現描写について話題が及ぶと、あだち氏は「意識して描いていたと思います。言葉にしてしまうと意味を持ってしまうので、言葉にしないで伝える方法を考えるのが好きでした。それが成立するために、主人公の周りには大人っぽくて裏を汲んでくれる脇役を配置していた」と語った。
「日常生活でウチの漫画はやっています」



