“危険運転”に速度基準 遺族の受け止めは 高速道60キロ超過・一般道50キロ超過
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長らく指摘されてきた法律と市民感覚の乖離(かいり)。その距離がようやく縮まる見通しとなりました。

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佐々木多恵子さん
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佐々木多恵子さん
「きちんと処罰することができる。一発で危険(運転)だよと言える。そういったものができるのは、とてもうれしい」

夫・一匡さん
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おととし2月、佐々木さんの夫・一匡さんはバイクで帰宅中、22歳の男が運転する車に追突されて亡くなりました。男は一般道で時速160キロを超えるスピードを出していましたが、起訴の罪名は過失運転致死。今の法律では「制御困難な高速度」で運転していた場合に危険運転が適用されますが。

佐々木多恵子さん
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佐々木多恵子さん
「160キロ超が制御困難な高速度にあたらないのであれば、一体何キロを出したら高速度なんだろう」

こうした声を受けて開かれた、25日の法制審議会の部会。今後、同様の事故が起きた場合には、明確に危険運転と位置付ける要綱案を取りまとめました。

最高速度が60キロを超える道路
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最高速度が60キロ以下の場合
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その具体的な中身。最高速度が60キロを超える道路では60キロオーバーを『高速度』と定めます。法定速度が100キロの高速道路なら160キロを超えると高速度での運転です。最高速度が60キロ以下の場合は50キロオーバーが基準。法定速度が60キロの一般道路なら110キロを超えると該当します。

ただ、遺族の中には、前進はしたものの、まだ基準が甘いのではないかという思いも。

佐々木多恵子さん
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佐々木多恵子さん
「国民の声に沿ったものでないといけない。乖離している部分は見直していってほしい」

法務省
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要綱案は、年明けにも法務大臣に答申される見通しで、法務省は通常国会への法案提出を目指します。

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