■14歳で下された決断:胸に埋め込まれた「心臓を動かす機械」

ペースメーカ
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 星名さんの病が発覚したのは、小学校1年生の時の検診だった。不整脈と診断され、通院を続けていたが、次第に体育の授業などが苦しくなり、症状が悪化。将来的にペースメーカを入れることになると医師から告げられていた。

 その後、心臓の電気信号が心室に伝わらなくなる「完全房室ブロック」と診断され、中学2年生で埋め込み手術を行うこととなった。そもそもペースメーカとはどのような役割を果たすものなのか。東京慈恵会医科大学の山根禎一教授は、次のように解説している。

 「ペースメーカは、脈が遅くなってしまう病気の方に対して、心臓に電気刺激を加えることで、正常な脈が保てるようにするために植え込む機械。心臓の中は常に電気が流れている。適切な電気が流れるために心臓の上に発電所があるが、そこから出た電気が電線のようなものを通って心臓全体に流れる。これが正常な状態だ。この発電所からの電気自体が少なくなってしまう方、流れていく途中の電線が弱くなったり切れてしまう、この2つのタイプがある。心臓が適切な数を保てなくなってしまうと、息苦しくなったり、場合によっては失神してしまう。そういう症状を持っている方に機械を植え込んで、足りない脈を補うものだ」。

 14歳という多感な時期に、自身の体内にこの機械を埋め込んだ星名さんは、当時の心覚を「手術が終わった後に、自分の心臓を触ってみて『本当に入っているんだ』って。これからこのペースメーカと一緒に過ごしていくんだなと感じた記憶がある」と振り返る。

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