■ベネズエラ攻撃は大国アメリカの焦りか

日本を取り巻く安全保障環境
拡大する

 大国の理屈で物事が動く現状について、小谷氏は「日本も地政学的な発想から、第2次世界大戦で“大東亜共栄圏”を作り、領土と資源を奪おうとした。そして戦後、アメリカを中心に『国の大小に関係なく、国際ルールのもと、話し合いで解決しよう』となり、過去80年近く続けてきた」と振り返る。

 しかし「中国やロシアは『奪われた(と思っている)領土を取り戻したい』と、過去20年近く領土拡大に動いていた」という。「アメリカは当初、国際ルールが大事だと言っていたが、トランプ政権になって『力が正義だ。アメリカも好きなことをやっていい』と考えるようになり、国際秩序が揺らぎ始めている」。

 その変化を「これまでもアメリカが『自分の利益に沿わない』と無視してきたことはある。イラク戦争が代表例だ。ただ、国際法を破る行動を取る時でも、なんとか正当化する努力をしていた。トランプ政権はその努力さえしていない」と語る。

 元朝日新聞政治部でジャーナリストの鮫島浩氏は、「アメリカは『世界の警察官』と呼ばれ、全世界を守るような幻想もあったが、中国やインドの台頭で、相対的な強さを失った。今回驚いたのは、誰もそう思っていないのに『麻薬捜査だ』と開き直ったこと。国際法や自衛権を説明する努力もなく、台湾に対する中国や、ウクライナに対するロシアと同じ論理になっている」と考えている。

 また今後の展開として、「トランプ氏が退任してもなお、アメリカの利益を守ろうと『西半球は俺のシマだ。代わりにアジアやヨーロッパは好きにしていい』となると、日本はどうするのか。アメリカに守ってもらえると思っていたが、西半球に引きこもるかもしれない。逆に中国とロシアの裏取引を好きにやっていいとなると、パンドラの箱が開く。左右を超えて自国を守るにはどうするか、考えざるを得ない」と懸念を示した。
(『ABEMA Prime』より)
 

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