■「晒し」は解決へのスピードを早める「必要悪」か
ネット上でマナー違反者の動画投稿などを行ったことがあるやきめしお氏は、今回の動画拡散について、「これまで見えてなかった教育現場の実態が、見えるようになってきている」と、その透明化の側面を評価する。同氏は、「今回だと、知事らがすぐに問題をキャッチして教育委員会に指示するといった動きが取れたという目線では、SNSやネット社会が評価されてもいい部分ではないか」との持論を展開した 。
この意見に対し、ジャーナリストの鮫島浩氏も、既存の相談ルートが機能していない現状を指摘する。 「現実問題、先生に相談したらいじめがなくなるのか」と問いかけ、「学校現場でも証拠がわからないものは、『いじめられています』と言っても、ちゃんと先生なり学校が取り扱っているかというと、たぶん多くの子どもは『言ったって受け入れてもらえない』と考える。それなら晒してしまった方が、世間が大騒ぎになって初めて動いてくれるという積み重ねが来ている」と、不信感が晒しを加速させていると分析した。
やきめしお氏はさらに、解決の「スピード感」の重要性を強調する。「警察にお願いをすると、そこから被害届が受理され、捜査チームが作られ、捜査や聞き取りに時間がかかる。そうなると、暴行が起きた事実がどんどん時間の流れとともに、だんだんと世の中から忘れ去られていくのではないか」と懸念を示し、ネットの力によって「明日救われるかもしれないという使われ方がされるべき」と主張した。
■「法治国家の崩壊」と被害者の尊厳
