
通常国会での早期解散を検討しているとされる高市総理が、13日から行われる日韓首脳会談のため、地元・奈良に入りました。
【画像】高い支持率で単独過半数目指す…高市総理“冒頭解散”を検討 永田町は選挙モード突入

総理就任後、初となるお国入り。高市総理は、奈良で銃弾に倒れた“政治の師”安倍元総理の慰霊碑に手を合わせ、実家にも30分ほど立ち寄りました。
年頭に開かれた会見で、解散について、こう述べていました。

高市総理(5日)
「解散についてのお尋ねですが、令和7年度補正予算の早期執行、きょうも同行してくれていますが、各大臣に指示をしております。国民の皆さまに高市内閣の物価高対策・経済対策の効果を実感いただくことが大切です」
先週末の「冒頭解散を検討」という報道以降、高市総理は、終日、公邸で過ごし、取材に応じていません。

報道ステーションの最新の世論調査。高市内閣の支持率は63パーセントで、政権発足から2カ月あまりが経ちますが、高い数字をキープしています。一方で、高市内閣の支持率と、自民党支持率の間には開きがあり、自民党にとって、内閣支持率の高さがどこまで追い風になるかは未知数ですが、支持率が高いうちにという考えに傾いたとみられています。

10日、総務省が各都道府県の選挙管理委員会に向け、文書を通知しました。『1月27日公示、2月8日投開票』と『2月3日公示、15日投開票』を念頭に、冒頭解散の準備を進める必要があるとされ、永田町は、その日程で動き始めています。

国会の召集日に解散を打つ“冒頭解散”は、過去4例あります。
直近は、2017年9月に安倍元総理が行った“国難突破解散”です。当時、森友・加計学園の問題をめぐって、野党から厳しい追及を受けていて、7月には支持率が3割を切っていました。
もっとも8月時点では、こう発言。

安倍元総理(2017年8月)
「解散については、全く白紙であります」
しかし、9月になって。

安倍元総理(2017年9月)
「この解散は“国難突破解散”であります。急速に進む少子高齢化を克服し、我が国の未来を開く」

慌てたのは野党側です。突然の解散表明に準備は整わず、野党第1党だった民進党は、小池都知事率いる希望の党をめぐる騒動によって分裂しました。結果、自公は大勝を収め、歴代最長政権へつながることになります。

その安倍元総理を“政治の師”と仰ぐ高市総理。安倍氏の腹心だった今井尚哉氏を内閣官房参与に据え、先週には秘書官を務めた佐伯耕三氏を新たに内閣広報官に登用しています。
秋の臨時国会の冒頭で解散した2017年のときとは異なり、高市総理がいま検討しているのは、今月召集される通常国会での冒頭解散です。

公明党 斉藤鉄夫代表(11日)
「いま、来年度予算案の年度内成立が経済対策としても非常に重要な場面。なぜ、いま解散なのか」

1月の解散は、1990年の海部内閣を最後に例がありません。このときは、総選挙を経て、2月末に国会が召集され、予算審議が始まったのは3月に入ってから。年度内に成立させるには時間が足りず、4月に入って暫定予算が組まれました。
高市総理が、冒頭解散に踏み切った場合、新年度予算の年度内成立は、極めて難しくなると考えられます。
野党からは、こんな指摘も出ています。

立憲民主党 野田佳彦代表
「働いて、働いて、働いてと言ってる割には、また政治空白を作って、物価高のために経済のために、働かないで信を問うというやり方が果たしていいのかどうかは、厳しく問われるのではないか」
真冬の選挙ならではの懸念もあります。

国民民主党 玉木雄一郎代表
「北海道、東北、北信越、雪が積雪寒冷地帯は厳しい状況にある。選挙活動自体にも地域的な差がでてきてしまう」
とはいえ永田町は、すでに選挙モードです。

日本維新の会 吉村洋文代表
「解散については、総理の専権ですから、総理が解散をすると判断すれば、いつでも戦う準備を整えています」

参政党 神谷宗幣代表
「しっかりと議席を伸ばすチャンスですから、前向きに取り組んでいきたい」
れいわ新選組や共産党、日本保守党も選挙準備を急ぐ考えです。
また、立憲民主党の野田代表は12日朝、公明党の斉藤代表と都内のホテルで会談。「中道改革で一致する両党で選挙でも協力ができないか」と呼びかけたことがわかっています。

立憲民主党 馬淵澄夫代表代行
「(Q.公明党との選挙協力については)準備を急いでいるだけです」
◆今後、想定される日程です。

13日、韓国大統領が来日。15日にはイタリア首相が来日します。一連の外交日程が終わる17日以降に解散を表明し、23日に召集される通常国会冒頭での解散が検討されています。選挙の日程については、『1月27日公示・2月8日投開票』、『2月3日公示・15日投開票』の2つが有力視されています。
◆政治部官邸キャップ・千々岩森生記者に聞きます。

(Q.解散のニュースについて、自民党内にも驚きが広がっているのでしょうか)
千々岩森生記者
「まさに青天の霹靂だったようです。自民党内では、党を預かる鈴木幹事長ですら伝えられていなかった。報道が出た後に知ったということで、疑心暗鬼も広がりました。確かに高市総理、去年は『解散を考えている暇はない』と繰り返していたのに、今年に入って、急に解散を否定しなくなったという変化はありました。いずれにしても、どうもわずか3~4人だけで、極秘裏に進めていたようです」

(Q.なぜ、この時期を選ぶのでしょうか)
千々岩森生記者
「これは、率直に“高いうち解散”ということですね。高市総理になって内閣支持率は急上昇。ある自民党幹部は『総理は、次の選挙で自民党が単独過半数を獲らないといけないと考えている』と話しています。高市総理自身は、一方で自民党の支持率がさほど上がっていないことを気にしているのです。これで本当に解散となれば、いまが、過半数獲得のチャンスだと、総理が見極めたということになろうかと思います。投開票は2月8日か15日、2つの案が出ていますけども、政権幹部の雰囲気では、状況が整うのであれば、早い方がいいと。8日の可能性が、現状では高いかなという感じのようです」

高市総理といえば、物価高対策を打ち出してきました。立憲民主党の野田代表や国民民主党の玉木代表は、“経済対策が後回し”などと批判しています。
(Q.こうした声が野党から挙がっていることに対しては、どういう受け止めなのでしょうか)
千々岩森生記者
「こうした懸念は、実際、複数の与党幹部から聞きました。『高市総理は、まさに働いて、働いて、働いてと、仕事にまい進する姿が好感を持たれていたのに、ここで選挙、いわば政局に走るようなことがあれば、世論が離れるのではないか』という危惧が、政権を支える幹部からも聞こえています」
◆公明党が連立離脱した影響はどうなのか。


前回、2024年の衆院選をもとに民間の試算が出ています。自民党が小選挙区で当選した132の選挙区について、公明党の支援を失った場合、52の選挙区で当落が変わる。つまり自民党が議席を失う。さらに10の選挙区で、自民党候補が当落線上になるとしています。
(Q.公明党支持層の票を失ったとしても、いま選挙に打って出るメリットがあるということなのでしょうか)
千々岩森生記者
「そこは非常に気になるところですが、自民党にとっては、公明党というのは、言ってみれば基礎票のようなものだった。連立離脱以降、自民党が最も不安視してきた要素でもあります。2024年との比較でいえば、現在、状況が大きく変わっています。それがまさに、高市総理の高い支持率ということになります。選挙のポイントは2つあると思います。1つは、自民党にとって失った公明党票ということであれば、高市総理の高い支持率でどれだけそれをカバーできるか。あるいは上回れるかということ。もう1つは、国民民主党や参政党に、自民党をこれまで支えてきた保守票が流れていますので、これを取り戻せるかどうか。このあたりがポイントになるかなと見ています」
