■「本当にいろんな偶然と奇跡が重なった」
学習院大学非常勤講師で、ZEN大学客員講師の塚越健司氏は、「ネットスラングをわかっている人たちの“内輪ノリ”だ。内輪ノリは、社会のルールに反することをして目立つなど、炎上しがちだが、今回は亡くなる本人が不謹慎なことを書いている」と説明する。
また、「これに『成仏してクレメンス』というネットスラングで乗りやすく、寄付が集まった。私の感覚では、中山さん自身は寄付を呼びかけるより、『勝手にやれば』と言うタイプだと思う。でも、これを粋に感じた人が寄付をして、“良い炎上”が起きた。中山さんも『マジで』と驚くだろう。寄付やインプレッションが供養になっている」と考察した。
和彦さんは「病気のことをSNSでつづる人は多い。最初は『なぜ息子の何気ない、淡々とした投稿が、こんなに見てもらえるのか』と理由がわからなかったが、偶然が重なって『香典代わりに寄付をした』という人が出て、賛同が広がった。いろいろな偶然や奇跡が重なり、本当に良かった」と語る。
京都大学成長戦略本部の特定准教授、渡邉文隆氏は、今回のポイントとして「あまり皆が『こういう状況では、寄付するのが当たり前』『寄付しないヤツはダメ』と言っていない。押しつけられると、良いことでもいやになる。自発性が引き出され、意気に感じたことを気持ちよく表現できたことが良かった」と指摘する。
なぜ和彦さんは、息子の死について発信し続けるのか。「本人の苦しむ姿を見て、家族を亡くした悲しみもわかる。そういう人が少しでも減れば、と切実に思う。息子が入院していたがんセンターには、1、2歳の子どももいれば、子を持つ親も患者としていた。そうした人々の気持ちが痛いほどわかる。寄付などで少しでも亡くならずに済めば、と強く思っている」。
(『ABEMA Prime』より)
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