■“女子マネ研究者”が語る解決の鍵「業務見える化&順位付け」

甲南大学 文学部社会学科の関めぐみ准教授
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 こうした問題はどのように対応していくべきなのか。甲南大学 文学部社会学科の関めぐみ准教授に聞いた。

「部活動を運営していく上で、どういった仕事が、全体として今どんな仕事があるのかっていうのを洗い出してみることがすごく大事なんじゃないかなと思っていて。その中で優先順位をつける。『これは絶対してもらわないといけない』『これは自分たちでできることなんじゃないか』っていうことを整理して、本当に必要なことだけをお願いするっていう体制にしないと」

「コロナの時に感じたが、水って前はひしゃくとかででっかいバケツから飲んでいたのが、感染の対策の関係でできなくなった時に、1人1人がスクイズボトルを持ってきて自分で洗う。それで、『別にマネージャーが用意しなくてもいいんだ』って。当然やるべきことと思われていたことすら、もしかしたら見直したら『自分たちでできる』っていうことがあるかもしれないので、本当に頼まないといけないこと、例えば選手登録みたいな事務手続きはそれこそ教員がやらないといけないかもしれないし、本当にこのチームにとって何が必要で、何は自分たちでやらないといけないのか、どこの仕事を誰に頼むのかというのを整理するということがまず第一かなというふうには考えている。今の仕組み自体を問うっていうことがすごく必要なんじゃないかな」

 さらに、関准教授は「高校までのマネージャー文化は教員の影響がすごく大きい」と指摘する。「旧来の“雑用=女性”という意識の教員が担当してる場合は、昔ながらの形態のままで変わっていない。ただ、新しい取り組みをしようという教員がいる場合は、かなり変わってくる。リーダーシップをとる女子のマネージャーも生まれている。つまり、指導者側・教員の意識が変わってくれない限りは、なかなかこの構造を変えるのは難しい」。

 また、水泳部でマネージャーをしていたBさん(40代)は「『この仕事本当に必要ですか?』等の説明・理由がつかない仕事は、学校の文化の影響が正直あると思う」と話した。

 こうした意見を受けて、瀧波氏は「学校が人権というものをちゃんと考える、基本的な知識を教員たちが身につける必要がある。女の子が世話をするっていうことを、個人の嗜好でやるならいいけど、学校の組織の中で女子マネージャーに全部世話をやらせようっていうのは、もう女子の人権侵害以外の何物でもない。男子も自立する機会を奪われる。やっていることがおかしいということを全教員に認識してもらうことから始めないといけないと思う。気が遠くなるんだけど。」と語った。

 また、くわばたは指導者に対し「自分のことは自分でやるというのは後の自分に100パーセントプラスになる。『今までやってもらっていたのに嫌だ』じゃなくて、『いや、お前のプラスになるんだよ』っていうのは監督やコーチなのに、『試合に勝つために準備や雑用を何もやるな』っていうのは、試合終わった後のこの子たちの人生を考えているの?」と、選手の将来の自立を阻害している可能性を指摘した。

女子マネ文化をなくして「マネジメント部」の設立を
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