【写真・画像】 2枚目
拡大する

 ALS(筋萎縮性側索硬化症)の疑いから検査入院、そうでないことがわかるとすぐに入院、そして手術へ。「とても急がないといけない状態だったらしく、入院したらその日の夕方に頭全部剃られちゃって。何が起きてるのか訳わからなかったです」。手術後は5カ月もの入院生活を余儀なくされた。

 当時はコロナ禍の名残で面会も制限されていた上、首は大きなコルセットで固定された状態。「携帯電話も見えないから、ここ(目線)まで持ち上げないといけない」という不自由さに加え、術後しばらくは鉛筆すら持てず、車椅子生活で歩くこともできなかったという。

「絶望です、本当に。どうなるか予想がつかなくて、辛かった」

 転機が訪れたのは、手術から4カ月後のこと。「弾いてみたいな」という意欲が湧き、久しぶりにヴァイオリンを手にした。

「手はまだ鉛筆も持てないぐらいですから、震えちゃってるんですけど。でも、音が出た時は嬉しかった」

 かつてのように弾けるかどうかではなく、「あ、こういう音がしてたんだ」という純粋な喜びが、復活への第一歩となった。

2023年5月、東京・紀尾井ホールの公演で復活
この記事の写真をみる(3枚)