■「超大国は止められない」国際法の限界と現実

国際憲章
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 まず前提として突きつけられたのは、国際法の限界という現実だ。2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏は、現在の国際秩序の構造的な欠陥を指摘する。「国際法はあくまでその常任理事国以外を止めるための仕組み。常任理事国を止めることはそもそもできない。ロシアがやらかしたとしても、何もできない。国際法にそれほど力がなかったのに、みんなが過信しすぎた」。

 軍事ライターの稲葉義泰氏もこれに同意し、国際法が合意の上に成り立つ危うさを解説した。「基本的に国際法は合意に基づいて拘束される。トランプ大統領のように『国際法は必要ない』『合意には縛られない』というようなことを言い出す国にとっては、もはや止める手立てはないと認識することが必要だ」。

 一方、国際政治学者の東野篤子氏は、国際法を万能視することへの誤解を解きつつ、その役割を再定義した。「国際法は何もかも解決する魔法の杖ではない。何をしてよくて、何をしてはいけないか判断するもの。何か問題が起こった時にやめさせるためには、国際法プラス他の軍事力、制裁など様々な手段を組み合わせる」。

 京都精華大学前学長のウスビ・サコ氏は、常任理事国が自らルールを壊す現状に強い危機感を示した。「国連が作られた目的を、みんなどんどん破っている。トランプは朝起きたら、今日はユネスコをやめる、今日はパリ協定をやめるといった様子。地球のためになるようなものを全部自分寄りにしてやめていくという。逆に国際法は彼に適応できなかったら、国際法とは何なのか」。

■日本に求められるのは「スルー力」か
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