■与野党が競う食料品の減税策

各政党の消費税政策
拡大する

 現在、主要政党の公約には、消費減税について似通った文言が並んでいる。中道改革連合の本庄知史共同政調会長は「食料品消費税ゼロ実現を具体的にすぐにやると言っているのは中道だけ」と述べた。また自民党の小林鷹之政調会長も「飲食料品については2年間に限り消費税の対象としないことを今後、国民会議において財源やスケジュールのあり方など実現に向けた検討を加速する」と語った。

 この状況について、第一生命経済研究所の主席エコノミスト・永濱利廣氏は、各党が掲げる数字の現実味について「同じ消費減税といっても、必要な財源が全く違う。例えば、食料品(の0%)だけであれば年間5兆円で済むが、一律5%だと15兆円。消費税廃止だと31兆円かかるので、現実的ではない」と指摘する。さらに、このタイミングでの各党の足並みの揃え方には「高市政権の政策がマーケットから少し誤った認識をされ、金融市場が混乱している。少なくとも国債に依存しない形でやらないと、結構まずい。本当に、100%(消費減税を)やるかというと、まだ懐疑的だ」。

 実務を担う現場からは悲鳴も上がっている。横浜市のスーパー「セルシオ」の鶴田英明店長は、減税による消費拡大への期待と、現場を襲う事務作業の膨大さの間で揺れる胸中を明かした。「(食料品の消費税が)8%が0%になったら、単純に普段買ってるものを安く買えるので、消費動向はよくなる。当店は1万点から2万点ほどアイテムを揃えているが、表示されている税込み価格を全て消し込む作業が必要になる。レジのシステム改修費は、当店はもともとシステムを導入してるのでいいが、一般的には10万円や20万円かかってしまう可能性もある」。 

 鶴田氏が特に懸念しているのは、一時的な減税によって現場の労力が搾取されることだ。「いち消費者として、普段の買い物が安くなるのはとてもうれしい。ただ、現場の人間としては1万点、2万点のアイテムのプライスを変えるのは頭が痛い。人件費も5年前と比べると20%以上は上がっていて、事務的な労力が発生してしまい、かなり現場は疲弊している」。

■専門家が疑問視する「今、やる必要性」
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