■乳房全切除した当事者

YUKOさん
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 YUKOさん(41)は1年前、右胸の乳頭の裏側にステージ1の乳がんが判明し、右の乳房を全切除した。手術でがんは取り除けたが、同時に彼女を“喪失感”が襲った。「女性らしさの象徴が胸。それを突然失わないといけず、自分自身の喪失感を感じた」。

 それでも再発を防ぐために投薬治療を続ける中、ある心の変化があったという。「胸がなくなることで、女性らしさや『周りからどう思われるか』が恐怖だったが、『女性として魅力的』というより、『自分がより魅力的に見える、自分が好きな服を着られたらいい』と思えた」。そして、「女性らしく」より「自分らしく」いたいと、今まで身に着けなかったアクセサリーを取り入れるなど、少しずつ自分自身と向き合った。

 発見した経緯は「子ども2人の授乳が落ち着いたタイミングで、大丈夫だと確認するために検診を受けたところ、乳がんだとわかった」のだそうだ。「私の場合は、全摘手術しか選択肢がなかった。乳頭の裏側に、小さいがんが広がっていて、全摘しかないと2人の医師から言われた」。

 手術を受けた後は「40年間左右に当たり前のように付いていたものがなくなり、違和感を覚えた。今も見慣れていない。子どもに授乳した思い出も、胸には宿っていて、その寂しさもあった」と明かす。

 子どもに対しては「見た目でわかるため、全摘手術が決まった時点で伝えた。反応に不安はあったが、思ったよりも動揺せず、むしろ闘病にあたって励まされた」と振り返る。「“喪失感”というと、すごく悲しみに襲われるニュアンスで、自分の場合は違うと思うが、やはり見慣れなさや違和感はある」。

■再建を選んだ当事者
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