■再建を選んだ当事者
そこで選択肢の1つになるのが、乳房再建手術だ。「乳がん体験者コーディネーター」の谷澤景子さん(47)は、9年前に左胸の全切除とともに、再建手術を受けた。「乳管の中を7センチほど、乳頭までがんが伸びていた。部分切除もできるが、その場合は乳輪や乳頭など3分の2を切らなければならなかった。それであれば、『全摘して再建手術を受けた方が、きれいに形を直せるのでは』と選んだ」と語る。
理由を「片側が明らかにないとなると、洋服を着ていても、左右の差が大きく出てしまう。全摘経験者からは『体のバランスが崩れた』という話も聞いていたため、乳房を再建したいと考えた」とする。
具体的な手術の手順は、「再建にもいろいろな種類がある。がんを摘出し、肋骨(ろっこつ)と大胸筋の間に、ティッシュ・エキスパンダーと呼ばれる水風船のような器具を挿入してから、傷口を閉じる」のだそうだ。
その後については、「そこへ少しずつ水を足し、中から大胸筋と皮膚を拡張して、健常者と同じくらいの胸のサイズにまで膨らませる。そしてシリコンインプラントという、柔らかい人工物を入れた。サイズ的には健常者の胸とほぼ近いが、取ってしまった乳輪や乳頭はまだ再建しておらず、片胸はのっぺらぼうの状態だ」と明かす。
■再建のリスク
