■「応じる義務はない」まずは話し合いを
家賃の値上げをめぐって相談を受けているという弁護士の三津谷氏は「実際2025年の後半ぐらいからポツポツ。これまでそんなになかったのに、2025年頃から少しずつ相談が出てきた印象。ただ、多くの方が『えっ急に?』とすごいびっくりされるんだろうなと思う」と現状を語る。
三津谷氏によると、貸主から値上げの通知を受けても、借主は必ずしも応じる必要はないという。「借地借家法という法律があるんですけど、値上げの部分を話し合いしていくというのが1つある。話し合いの結果、値上げの金額がぐっと縮まったですとか、そもそも値上げをせずに現状維持で収まったというケースもあるので、やっぱりまずはしっかり話し合いをしてみる」。
折り合いがつかないと調停、裁判となるケースもあるということだが、三津谷氏はそれでも話し合いの重要性を強調する。「怖いとは思うんですけど、将来出ていくお金のことを考えると、ちょっと気合いを入れてお話してみた方が、将来の損はぐっと減らせるんじゃないかなと思うので、そこはちょっと勇気を持って話してみてほしいなと思います」。
これを受け、三輪氏も同意する。「『値上げしますよ』というのは決まったわけじゃなくて、それに同意しますかどうですかという“お願い”ですよね。なので、そこに応じる義務はない。向こうから連絡が来た時点では決まっていないということを覚えておいてほしい」。
管理会社から分厚い書類が届くと、決定事項のように感じてしまう人も多い。しかし、三輪氏は注意を促す。「分厚い文書も面倒かもしれないけれど、読んだ方がいい。そこに書かれていることは本当にそうなんだろうか、全部受け入れていいんだろうかと、そういう目で書類を見てみるのが大事だと思う」。
さらに、借地借家法については「どういう場合に賃料の増額、減額が請求できるかという一般的なルールを定めている。このルールを満たしていなかったら増額請求できないとなるわけだ。 ただ、事案ごとに難しい。実際どれくらい上げるか下げるかというのはケースバイケースで、こういう一般的なルールに基づいて、一定のハードルを超えた時にだけ相当な金額の増額が認められるということなので。だから一方的に貸主が言っている金額で決まるというルールにはなっていない」と説明した。
1万3000円の値上げが撤回できた事例も
