元徳島県警捜査1課警部の秋山博康氏は、事件発生当初から「早い段階で容疑者の特定はできていたはず」と語っていた。逮捕された今、改めて「本件は無差別通り魔や、現金物色の強盗ではない。しかも妊娠中の女性を一気に殺害するという強い殺意があるため、当初の段階から被害者周辺の捜査を一気にやる。そうすれば、過去のストーカーなどから、発生数日後には、ある程度容疑者を固定して、その人間を捜査していたと思われる」と推測する。

 発生から21日後の逮捕になったことについては、「例えばAという容疑者が浮上すると、その人間の犯人性を特定する証拠収集が必要となる。逮捕状を請求するためには、証拠を固めていく。この被害者を狙う動機面がある人物かどうか。今で言うと、被害者のスマホを解析し、発信記録やメールの内容、ブロックしているかなどで、相手を割り出す」と説明する。

 「現場周辺の出入りを防犯カメラで解析する。被害前後の出入り、今回であれば“入り”と“出”の車を特定した。それで容疑者が固まってくる。さらには、現場が一番の証拠の宝庫。現場に指紋があるか、足跡があるか、DNAがあるかとなれば、もっと対応が早かった」と語る。

 これらの証拠が残っていた場合、「前科がある人間は、警察のデータベースに指紋がある。なければ容疑者を24時間行動確認して、例えば缶ジュースを飲んで捨てたら、そこから秘匿採取する。足跡も現場にあれば、行動確認して、同種の靴を履いていたら、足の裏を秘匿採取する。DNAも同様に唾液を秘匿採取する。そうした証拠固めに非常に時間がかかる」のだそうだ。

 加えて、「もし現場に資料(証拠)がなかった場合は、犯行に使用した物、今回だと発信機や刃物、鈍器(を捜査する)。最近はネットで購入するが、発信機やぬいぐるみを犯行前に購入した人間は、かなり犯行が濃厚になる」とも説明する。

「あえて実家にぬいぐるみを送った」計画的な犯行を指摘
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