2月8日に投開票される衆院選を前に選挙活動は白熱。各党が様々な経済政策を掲げているが、実現した場合、我々の生活にどのように影響するのか? テレビ朝日経済部財務省担当の佐藤美妃記者に聞いた。
各党の消費税の政策・スタンスは以下のようになっている。
自民党と日本維新の会「飲食料品2年間ゼロ検討」
中道改革連合「食料品恒久的ゼロ」
国民民主党「一律時限的5%」
日本共産党「一律5%、その後廃止」
れいわ新選組「廃止」
減税日本・ゆうこく連合「廃止を含めた抜本改正」
参政党「段階的廃止」
日本保守党「食料品恒久的ゼロ」
社民党「ゼロ」
チームみらい「税率維持、社会保険料の負担減」
実際に消費税の減税を実施した場合、「飲食料金のみ(軽減税率分)0%にした場合」は1年間でおよそ5兆円税収が減り、「一律5%に引き下げた場合」はおよそ15兆円、「消費税を撤廃した場合」はおよそ31兆円の税収が減ると試算される。
消費税に対する財務省の受け止めについて佐藤記者は「財務省は今まで『消費税の減税はまずない』と考えていて、社会保障費などが増える中でむしろ『次はいつ消費税を引き上げるか』というスタンスだった。とはいえ、物価高に国民が大きな負担を感じ、税に対する関心は高まっている。各党が消費税減税を公約に掲げる状況に、『消費税減税も検討していかないといけない』という声もよく聞くようになった」と明かした。
だが、消費税はこれまで国民のために使われていたはずだ。減らしても影響はないのだろうか?
佐藤記者は「消費税は社会保障の財源だ。高齢化が進み少子化対策もしなくてはいけない中で、そもそも今の税収でも足りていないのが実情だ。それがなくなると私たちの生活にどういう影響があるか、真剣に考えないといけない」と言う。
消費減税分の「財源」について各党のスタンスは以下のようになっている。
自民党と日本維新の会「赤字国債に頼らず、歳出歳入など見直し捻出」
中道改革連合「政府系ファンド創設や政府基金剰余金の活用」
国民民主「外為特会やETFといった公的な金融資産の運用益や売却益」
共産党「大企業や富裕層に応分負担を求める税制改革」
れいわ「法人税や富裕層を対象にした所得税の引き上げなど」
参政党「法人税の引き上げ」
保守党「省庁、事業、海外搬出金などを整理」
社民党「大企業の内部保留への課税、法人税の累進性強化、防衛費の引き下げ」
高市総理大臣は「補助金や租税特別措置(租特)の見直し、税外収入で税源を確保できる」と発言しているが、「税外収入」とはどのようなもので、本当に財源は確保できるのか?
佐藤記者は「2025年度の税外収入において一番大きいものは『外為特会(後述)からの繰り入れ』だ。あとは日銀やJRAの国庫納付金、国有財産の売却なども税外収入になる」と説明する。また、『補助金や租特の見直し』については、「補助金を見直しは、歳出カットと同じ。租特(租税特別措置)は特定の政策を達成するために期間限定で主に減税をするものだが、これを見直すということは増税になる。また、自民党や維新は2年間限定だとしているが、2年後にまた戻すとなれば、企業側もシステムを再び変えるなど手間もコストもかかり、消費者からすると負担が重くなると感じるので、(その時の)政権の支持率は下がる可能性もある。そんな中で本当に戻せるのか」と疑問視する。
中道改革連合が財源として掲げる「政府系ファンド」については「詳細が示されていないが、これまでの説明を考えると、公的なお金を1つのファンドに集めて運用すれば大きな利益が出せる、というもの。ただし、何のお金をどう運用するのか、リスクにどう対処するのか、詳細が示されていないため、現実的なものなのか判断のしようがない」と話した。
その上で「言い方は厳しいが、税源に関して各党何か言っているようで何も言っていない」とバッサリ。
「結局自民党も『国民会議で検討する』と言っているが、その国民会議は与党だけではなく野党が入ることも想定されている。各党、消費税減税の考え方がバラバラで、それを一つにまとめてこの複雑な消費税という制度に結論を出せるのかというと、かなりハードルが高い。他の政党が示している財源もそれぞれ、他の誰かが困ったり、どこかにしわ寄せがいったりするものが多い。そもそも、そんな簡単に財源が確保できるなら(これまで)消費税増税してきていない」

