当初、中井はこの時計を「自分が亡くなる時に、信頼のおける後輩に渡そう」と考えていた。しかし、「自分がしっかりしている時に」と、判断ができるうちに次世代へ託すことを決意。その相手に選んだのが俳優の岡田准一だった。授賞式で一緒になった際、中井は時計を手渡したという。

「岡田くんは、日本の文化みたいなものも大切に考えている方だと。高倉さんがご存命だったら、きっと時計を渡したいなって思う俳優さんだろうと思った。『これを託すけど、ごめんね』と。岡田くんは『いいんですか?』と言ったけど、『俺からっていうより、高倉さんからだと思って受け取ってください』とお渡しした」

 「僕は中継ぎをしただけ」と謙虚に語る中井のエピソードに、司会の黒柳徹子は「よかったね。良いお話ですね」と感銘を受けていた。(『徹子の部屋』より)