クランクアップ後、制作発表と打ち上げが行われたが、緒形さんが亡くなったのはそのわずか数日後のことだったという。

 亡くなった後に聞いた話として、中井は「撮影中は、ドクターストップもかかっていたし、ロケに行くなんてとんでもないことだ、とも言われていたらしいんです」と告白。しかし、不思議なことに、ロケから帰ってくると検査の数値が良くなっていたこともあったそうだ。

 番組では、緒形さんが2005年に出演した『徹子の部屋』のVTRも放送された。早逝した兄が俳優を目指していたことから自身も俳優になったこと、兄の死に対する母の静かな悲しみについて明かす緒形さんの話を、当時の黒柳徹子は声を震わせて聞いていた。そのVTRを今回のスタジオで、黒柳は目をうるませながら見つめていた。

 中井は、作中の最後に緒形さんが自分の手を握って見送るシーンについて触れ、「その手の温もりがとても忘れられない」と回顧。打ち上げの夜、緒形さんの帰り際に出口まで見送りをした際、振り向いて言われたのは「またな」という言葉だった。「『はい、こちらこそお願いします』って、それが最後のやり取りで」「役者としてこんな生き様ができるかな、と自分の中で思わせてもらった。あんな潔い生き方はできないだろうな」と、緒形さんへの尊敬の念を語っていた。(『徹子の部屋』より)