将棋界において、棋士の格付けを決める最も重要な公式戦、それが「順位戦(じゅんいせん)」です。
「名人戦・順位戦」とも呼ばれるこの棋戦は、プロ棋士にとって単なる対局ではありません。自身のランク(クラス)を決定し、給与や対局料、そして将棋界での地位そのものを左右する、まさに「魂のリーグ戦」です。
本記事では、将棋連盟の公式規定に基づき、A級からC級2組までの仕組みと昇級・降級のルール、そして頂点である「名人」への道のりを詳しく解説します。
目次
- 順位戦とは?棋士のランクを決めるピラミッド
- 各クラスの昇級・降級システム詳解
- 知っておくべき「降級点」の厳しいルール
- まとめ:順位戦は棋士の人生そのもの
順位戦とは?棋士のランクを決めるピラミッド
順位戦は、5つのクラス(A級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組)に分かれたリーグ戦です。
すべての棋士はこのピラミッドのいずれかに所属し(フリークラスを除く)、1年間かけてリーグ戦を戦います。
成績上位者は上のクラスへ昇級し、下位者は下のクラスへ降級します。このクラス分けこそが、棋士としての「格」や「ランク」を表します。
名人への道のり
将棋界の頂点の一つであるタイトル「名人」。
その「名人」への挑戦権を得ることができるのは、順位戦の最上位である「A級」で優勝した、たった1人の棋士だけです。
C級2組からデビューした新人が名人になるには、最短でも5年(毎年昇級した場合)かかります。これが「名人への遠き道のり」と呼ばれる所以です。
各クラスの昇級・降級システム詳解
ここでは、A級からC級2組までの定員や昇級・降級のルールを解説します。
※各クラスの人数や枠は、規定により変更される場合がありますが、基本ルールは以下の通りです。
【A級】選ばれしトップ10
名人のすぐ下に位置する最高峰のクラスです。
* 定員:10名
* 名人挑戦:リーグ戦の優勝者が、名人への挑戦権を獲得します(七番勝負)。
* 降級:成績下位の2名がB級1組へ降級します。
【B級1組】通称「鬼の住処」
A級経験者や若手実力者がひしめき合う、激戦のクラスです。
* 定員:13名
* 昇級:成績上位の2名がA級へ昇級します。
* 降級:成績下位の3名がB級2組へ降級します。
【B級2組】
* 定員:なし(昇降級により変動)
* 昇級:成績上位の3名がB級1組へ昇級します。
* 降級:降級点のルールが適用されます(後述)。
【C級1組】
* 定員:なし
* 昇級:成績上位の3名がB級2組へ昇級します。
* 降級:降級点のルールが適用されます(後述)。
【C級2組】プロ棋士の登竜門
四段に昇段した新人棋士は、まずこのクラスからスタートします。
* 定員:なし
* 昇級:成績上位の3名がC級1組へ昇級します。
* 降級:降級点のルールが適用されます。ここから落ちると「フリークラス」へ編入となり、順位戦に参加できなくなります。
知っておくべき「降級点」の厳しいルール
B級2組以下には、「降級点」という独自のシステムがあります。単年度の成績が悪くても即座にクラスが落ちるわけではありませんが、積み重なると降級となります。
降級点の仕組み
* B級2組・C級1組:
* 成績下位者に降級点がつきます。
* 降級点を2回とると、下のクラスへ降級します。
* 1回ついた降級点は、勝ち越し(例:10戦で6勝4敗以上)などを達成すれば消すことができます。
* C級2組:
* 成績下位者に降級点がつきます。
* 降級点を3回とると、順位戦から陥落し「フリークラス」へ編入となります。
まとめ:順位戦は棋士の人生そのもの
将棋の順位戦は、単なる勝ち負けだけでなく、棋士としてのランク(誇り・収入)をかけた過酷なサバイバルレースです。
* A級:名人挑戦を目指すトップリーグ
* B級:A級を目指す激戦区
* C級:上位進出を狙う若手とベテランの戦場
このシステムを理解して対局を見ると、一局一局の重みがより深く感じられるはずです。C級2組から一歩ずつ階段を上り、名人の座を目指す棋士たちのドラマに、ぜひ注目してみてください。






