■ネットメディア各社のスタンスと中立性

 放送法などが関係する地上波テレビと比較して、ネットメディアは基本的に自由に発信できるのが特徴だ。とはいえABEMA Primeの杉田哲也プロデューサーは「公平中立はめちゃくちゃ意識している。ABEMAからテレビ朝日に制作委託しているため、基本的にテレビ朝日基準で放送する。討論会で言えば、いわゆる政党要件を満たした11党を呼ばなくてはいけないという制約がある」と説明する。

 ReHacQ(リハック)の高橋弘樹プロデューサーは、「基本的にネットは気にする必要ないが、ReHacQでは意識している。前職がテレビだったため、放送法や公職選挙法は、テレビ以上に守っている。テレビが最近まで呼ばなかった少数政党を呼ぶなど、公平性は気にしている。『テレビが手の届かない情報も、しっかり届けたい』という問題意識がある」と語る。

 選挙ドットコムの鈴木邦和編集長は、「意識しているが、その仕方がマスメディアとは異なる。1年間で約50人の政治家が出演するが、そのバランスが国会の議席構成と大体同じになるようにして、年間の出演回数まで公表している」と話す。

 その理由は「メディアが必ず公平中立であるべきとは思わないが、選挙ドットコムは、なるべく多くの人に選挙情報をフラットに届けたいメディアだ。ルールより『視聴者がどう感じるか』が大事で、ルールを守っていても『公平でない』と思われたら終わりだ」との考えにある。「ルールを自分で作りつつ、視聴者にフェアなメディアだと思ってもらえるかを大事にしている」。

 NewsPicks(ニューズピックス)編集部の小林伸代記者は、「党首討論に全員を呼んだり、出演回数を数えたりはしていない。面白い候補者や争点があれば、候補者間の公平性はあまり考えずに、ピンポイントで深掘りする。ただ、候補者に対しては、嫌なところまで質問するなど、公平性を意識している」とスタンスを示す。

■解説者の重要性と「政治家の本音」へのアプローチ
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