■解説者の重要性と「政治家の本音」へのアプローチ

 ReHacQ高橋氏は「深く真相を知り、見えていないものを可視化したい」との思いを抱いている。「各党が決めた公約を言っているだけの党首討論だけ見ていても意味がない。ReHacQでは今、東京の30小選挙区すべての討論会をやっているが、同じ自民党の候補者でも公約に対しての思いはさまざまだ。『税調としては難しい』といったニュアンスで話す税調インナーもいれば、口ごもる人も、討論会に出てこない人もいた。総合体としては“党”だが、党首の発言だけ見ても、何もわからないに等しい」。

 選挙ドットコム鈴木氏は、「政治家を呼び、話を聞くのには限界がある。政治家の言葉をそのまま聞いても面白くなく、そこに隠された意図や思惑を翻訳して、解説してくれる方が、有権者にとって価値がある。政治家を呼ぶ回より、裏を解説する回の方が視聴されている」と明かす。

 パックンは、「日本の政党は、マニフェストは似ているが、手段が少し違うことがある。誰かが代わりに実現可能性を伝えてくれれば良いが、そうでないと宣言を聞くだけになるため、深掘りしてくれるのはありがたい」と考えている。

 その上で、「気になるのは公平性だ。間違っている時に、しっかり言えるか。アメリカの中道テレビ局は、バランスを取るために間違っていることもそのまま伝え、結局ファクトから離れた報道になっていた。ずっと『政治家が言うことはファクトチェックできない』といった恐れがあった」との論点を示す。

 これにABEMA Prime杉田プロデューサーは、「収録中のファクトチェックは、うちはできるが、ほとんどのネットメディアには多分無理だ。今も僕がしゃべっている裏で、まずいことを言っていないかチェックしている。体力も人材もあるが、それを他のネットメディアに課すのは酷だ」と返し、一方で「そこに引っかかると面白くなくなる面もある」との考えを語る。

 選挙ドットコム鈴木氏は、「我々の体力では、ファクトチェックより、コンテンツの質と量を上げることにリソースを割くべきだ。もちろんファクトは重視していて、チェックもしているが、リソースの大きさは異なる」との現状を語った。

■地上波とネットメディアの共存
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