■リスカを繰り返した母、人生が変わった瞬間

カトウさん
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 カトウさん(40代)は、30代で2人のわが子を病気で亡くし、5年間にわたり両腕に傷を作り続けていたという。「母親として丈夫に生んであげられなかった。自分を責め続け、1日何回も両腕を切り刻んでいた」。

 そんなカトウさんが手術を決断した理由は、「リスカの跡があるってことは“かまってちゃん”“メンヘラ”と思われる」といった“傷跡への偏見”があった。「苦しさを乗り越えるために切っていた。その他の手段はなく、あの時に自傷していなかったら、この世に自分は多分もういない」。

 傷跡に対する偏見で傷ついた経験もあった。看護師として働く職場では、制服で半袖になった際に、上司から「命を救う仕事なのに自分が死にたいとアピールしているみたいだから何とかして」と求められた。日常会話中に「ただ話しているだけなのに“自分語り”と捉えられ、自分の伝えたいことが伝えられない」こともある。

 手術を受けた経緯を「『傷跡の治療はあるのか』と調べていたところ、YouTubeで村松院長を知り、相談・受診して、トントン拍子で手術になった」と明かす。「傷跡を見るたび娘2人を亡くしたことを思い出していたが、傷跡が変わり楽しかったことを思い出せるようになった。周囲からの目も変わり、これまで人からは触れられなかったが、『どうしたの?』と聞かれて『やけどだよ』と話せるようになった。人生が180度変わったかもしれない」。

 リストカットの傷跡に気付いた時、周りの人々はどのように接すればいいのか。「ある程度の関係性があれば、『どうしたの、その傷』と普通に聞いてもらっていい。もし答えがわからなかったら、2人で探せばいい。助けてもらえるところはある」。

 村松院長は「自傷行為をする人が増え、オーバードーズ(薬物の過剰摂取)やアルコールなどの依存症で苦しんでいる人もいる。このような機会に少しでも理解してもらい、『本当に苦しい思いをしているんだ』と見てもらえるとうれしい」と願った。
(『ABEMA Prime』より)
 

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