■若者の不満は左右、さらに上下へ

エプスタイン氏と関係があるとされる著名人
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 文書公開に対しては、「MAGA」と呼ばれるトランプ支持者からも反発の声が出ている。そんな中注目されているのが、ニック・フエンテス氏(27)だ。関西学院大学准教授の柳澤田実氏によると、「極右インフルエンサーと言われ、白人至上主義・反ユダヤ思想で、反イスラエルを全面的に打ち出している。アメリカファーストを掲げ、トランプ氏を『生ぬるい』と批判する。過激な差別発言により、YouTubeなどでは発信できず、右派配信者が多い動画サイトで発信している人物だ」という。

 フエンテス氏が注目を集める理由として、「同様のことを言っている人も多いが、彼には若さがある。加えて、イスラエルの攻撃を目の当たりにして、反イスラエルの思想が一般性を持った」と考察する。

 また、「彼の言葉は、どこまで本気かわからない。政治的発言もするが、スタンドアップコメディアン的な才能もあり、聞いていて笑ってしまう内容もある。差別的な主張に共感する人から、“お笑い”として見ている人まで、裾野が広がっているのが特徴だ」とも話す。

 一方で、冷泉氏は「『365日で聖書を全部読む』というポッドキャストが大ヒットした女性神学者のタラ・リー・コブル氏は、独身主義・純血主義だが、観光旅行を企画するほどイスラエルが大好きだ。本当に多様化している」と語る。

 そして、「民主党がおとなしくなっている。オバマ元大統領やクリントン夫妻、バイデン前大統領、ハリス氏らに連なる主流派が、トランプ氏の悪口しか発信していない。民主党内では、新ニューヨーク市長のマムダニ氏のように、極端な社会主義を取る左派は勢いがあるが、穏健な主流派がメッセージを発信できていない」との認識を示した。

 柳澤氏は「民主党も打つ手がないため、マムダニ氏のように既得権益層を攻撃して、『自分たちは庶民だ』と固まっている。フエンテス氏らも、イスラエルやエプスタイン氏とつながっている既得権益層を悪者にして、団結しようとしている。どちらの党も“左右”というより“上下”にポーズを作り、『どちらが解決策を出せるか』の勝負になっていくだろう」と予測する。

 アメリカでは「格差が一番本質的な問題だ」として、「解決策は出ないかもしれないが、間違いなくそれが争点になる」と考える。「若い世代は正義や『汚い大人』に対しての怒りを抱えている。民主党であれ共和党であれ、下が上を突き上げていく運動は出てくるだろう」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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