◆衛星 VS 衛星 妨害手段はスプレー?

宇宙領域防衛指針
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 脅威となる衛星としては、さまざまな手法で他国の衛星に攻撃・妨害を行い無力化する「キラー衛星」があり、そのキラー衛星の進路を阻むように動いて自国衛星を守るものとして「ボディーガード衛星」がある。

 「ESA 宇宙環境報告2025」によると、地球を周回する「稼働中の人工衛星」は約1万1700基(2025年5月時点)で、その中で「スペースX」が提供する衛星通信サービス「スターリンク」の衛星は約8000基を占める。またスペースデブリ(宇宙ゴミ)は5万個以上(10cm以上のもの)が存在している。

 スペースXは2月1日、ロシア軍が不正に利用していたスターリンクのアクセスを遮断した。AFP通信やBBCによると、ロシア軍に混乱が起き、ウクライナ軍が約200平方キロメートルの領土を奪還。ウクライナ軍のドローン操縦兵士は「ロシア軍は攻勢能力の50%を失った」とした。

 こうした状況下で出たのが「宇宙領域防衛指針」だ。防衛省戦略企画参事官の高橋杉雄氏は「2024年夏に宇宙担当のポストに就いたが、知らないことも多く、『安全保障の専門家である私でも知らないなら、世間では知られていない』と思い、戦略文書を出そうと決めた」と経緯を語る。

 指針の意義としては、「ロケットや衛星を作る民間企業に対して、防衛省・自衛隊が何を重視しているか伝えることで、先回りで研究開発をしてもらう思惑があった。アメリカとの協力関係でも大きな柱になるため、とにかくシンプルに伝えるようにした」という。

 歴史を振り返り、「湾岸戦争の1991年ごろから、軍事と宇宙は切り離せない存在だ。一方で、まだガンダムのような宇宙戦争の世界ではない。宇宙は地上のサポート役であり、『どう宇宙を相手に使わせないか』『使わせないようにされる時、どう守るか』がポイントになっている」と説明する。

 衛星の動きについては、「実はよくわからない。夜空で動く“星”は、だいたい人工衛星だが、地上から見ても、どの衛星が何をしているかわからない」のが現状だ。「電波のパターンを観測したり、宇宙にある望遠鏡で直接観測したりして、“やばい衛星”を識別する必要がある。これを始めるために『航空宇宙自衛隊』へ名前を変えるが、そこまでしないと、安全保障的な宇宙利用や、その妨害への対処は難しい」。

 衛星を狙い、打ち落とすことは可能なのか。「中国とロシアは実験をして、アメリカも落下した衛星を撃ったことがあるため、できなくはない。ただ、中国が2008年ごろに行った時、膨大なデブリを出して、批判が集まった。それ以後、中国はやっておらず、モラル的にもやりにくい」。

 コラムニストの河崎環氏は「衛星はすべて登録制で打ち上げられていると思っていて、謎の衛星もあるとは知らなかった」としつつ、「衛星への攻撃に化学スプレーを使うと聞いて、面白いなと感じた」と話す。高橋氏によると、「カメラで地上を撮影する衛星に対して、レンズを汚すためにスプレーを噴射する」のだそうだ。

◆日本が宇宙事業で世界と戦えるのか
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