国内のみならず、世界中の国々で日本のアニメ作品は楽しまれている。その制作工程は多岐にわたり、ひとつのアニメ作品を作り上げる上で多くの人が作品に関わっていく。
2026年2月27日より公開されている『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』も大ヒットとなっているが、本作の公開に続き4月からはTVアニメ第4期の放送も控えている。本記事では、そんな『転スラ』のアニメシリーズを手掛けているスタジオ・エイトビットに伺う機会をいただき、取材したさまざまな制作資料をベースにして、アニメ制作の工程について大まかな流れがわかるように解説していこう。
まず、アニメ作品が完成するまでの全工程は、大きく分けて3つの段階にわけることができる。それぞれプリプロダクション・プロダクション・ポストプロダクションと呼ばれるが、段階ごとにわけて解説を進めていく。
アニメ作品の骨子が作られていく「プリプロダクション」
プリプロダクションは、実際にアニメを作り上げる上で必要な設定などを作り上げていく工程となる。プリプロダクションにおいて生み出される脚本や絵コンテ、キャラクターデザインなどの設定資料は、出版物としてまとめられる機会も多いので、アニメファンでも触れる機会は多いだろう。
まず、どんなアニメ作品を作るのかという企画がメーカー等によって決められたのち、物語の骨子となる脚本が作られていく。脚本はTVアニメの場合、1クール約12〜13話が制作されるので、何話でどのようなエピソードが描かれるのかを割り振るのがシリーズ構成と呼ばれる工程だ。
脚本もシリーズ構成もその名の通り脚本家が手がけるが、ひとりで書き上げることは稀で、多くの場合は脚本会議に監督やプロデューサーといった職種や原作者など、作品のメインスタッフが集結して話し合いながら決められていく。
脚本の制作に並行して、キャラクターデザインや美術設定といったアニメ制作に必要な制作資料も作られていく。
『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』を一例にあげると、リムルやゴブタといった主要キャラクターたちの基本的な設定はTVアニメのときに作られているものの、本作の舞台は海。リゾートを満喫するリムル一行の水着姿が登場するが、それぞれどのような水着衣装を着ているか設定としてまとめるのも、キャラクターデザイン・衣装デザインの仕事だ。
また、作品によっては脚本ないし前段階のプロット(物語で起こる内容を簡単にまとめたもの)などをもとに、どのようなシーンのビジュアルになるのかをイラストとして描きあげるイメージボードと呼ばれる工程も取り入れられる。文字情報だけの状態から、どのような映像を作り上げていくのかというビジュアルイメージを多くのスタッフと共有するためのものだ。
『劇場版 転生したらスライムだった件 蒼海の涙編』では、イメージボード・衣装デザインとしてクレジットされているpomodorosa氏のデスクを取材させていただき、実際に本編で使用された衣装デザインやイメージボードの数々を拝見することができた。
そして脚本から絵(画)コンテと呼ばれるものが作られる。脚本に書かれている内容をどのようなカメラアングルで捉え、カットをどのように重ねて映像としての連続性(コンティニュイティ)を持たせるのかが記されたアニメの設計図になるもので、カット内容を示した絵と指示書きによって構成される。
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