◆小学生のころから息子が暴力、3年間悩んだ母の決断

家庭内暴力の件数
拡大する

 高橋さんは40代女性で、息子のたかしくん(仮名)と2人暮らしだ。しかし小学校4年生の時から暴力行為が始まり、ゲームやテレビの時間を制限し、とがめると暴れるようになった。警察沙汰となり、児童相談所で保護されるも、保護期間が終わり家に戻ると、再度暴力をふるうようになった。

 3年ほど前から始まった暴力は「『早く寝なさい』や『ゲームの課金をさせろ、させない』でキレる。家の中で暴れて(私を)殴る蹴る。夏もアザがすごくて半袖を着られない状態だった」という。その行為は日々エスカレートし、「タオルで首を絞めようとしたり、包丁を抜いて『殺してやる』などの暴言もあったりした。不安で(息子と一緒に)死んで楽になりたい気持ちもあった」のだそうだ。

 暴力行為があった期間は「最初から1〜2年ほどたち、通報されて警察沙汰になった。フリースクールに入るまでは3年近い」という。「だんだんエスカレートした。小学3〜4年生の頃は、私の方が力も強かったが、だんだん力が逆転して、『自分はもっと強くなれる』となったのではないか」。

 悩みを抱える一方で、「スクールカウンセラーに相談したが、話を聞く以上のことは、学校もできない。寝ていたら枕元に立ち、『殺してやるぞ』と言ってきた時もあった。この子がどうなるか不安すぎて、だったらいっそ(死を選ぶ)という方向にしか行かなくなった。家庭内なら大丈夫だが、外に包丁を持ち出せば、傷害罪や殺人になりかねない。世間様に顔向けできない気持ちだった」と語る。

 日常生活においては「基本はおとなしく、小さい子にも手を差し伸べられる。家でも落ち着いている時には『お母さん』と甘えてきたが、一度スイッチが入ると暴れてしまう」状態だった。「フリースクールの前に、児童精神科にもかかったが、薬が合わずに暴れがひどくなった。ADHDとASDを併発していると言われた」。

 たかしくん自身は、寮生活によって「(他人との生活は)大変で辛い事もあるが、(親以外の)人とあまり話してこなかったため、いろいろな人に関わる機会が増えた」と明かす。また、1年たって「イラつく気持ちを抑えるなど、気持ちのコントロールが少しうまくなった。冷静に考えると、本当にクソみたいな事をしていたと思えるようになった」のだそうだ。

◆親と引き離した子、その後の行動は
この記事の写真をみる(4枚)