■中東依存度95.3パーセントの日本…「第3次オイルショック」の懸念も
現在の日本の一次エネルギーの自給率は12.6パーセントと主要国の中で37位となっている。資源が乏しく、約9割を輸入に頼っている状態だ。中でも中東依存度はおよそ95.3パーセントと非常に高い。
こうした状況について、崔氏は「中東依存度が9割を超えているのは、実は昭和のオイルショックの頃からずっと続いていて、これほど依存度が高いのはアジアの中でも日本だけ。他の国は地域を分散させている。人口も減少するし、グリーンエネルギーもあるし、分散は後でいいかと思っていたツケが今来てしまった」と指摘する。
ホルムズ海峡を通過する石油量は、世界の消費のおよそ19.8パーセントを占める。通過する原油の目的地として、日本は10.6パーセントとアジアの中では4位となっている。中東への依存度が約9割である日本は、ホルムズ海峡の依存度が非常に高く、深刻な影響が懸念される。
「仮にこのまま原油価格が上がっていくと、夏にはレギュラーガソリン1リットル200円という話も出てくるし、本当に予断を許さない状況。アメリカなど同盟国から原油を輸入すればいいじゃないかという声があるが、日本の原油の備蓄や精製は中東産原油に合うように設計されてきている。それを何とかして変えようと中東産原油に近いタイプの中国産やメキシコ産の原油を輸入してきた歴史もあるが、中国は純輸入国、メキシコはあまりに遠くてコストが合わないことから、ずっと精製の設備を変えてこなかった。このリスクが再び出てきてしまったので、第3次オイルショックが起きてもおかしくないという声も出るぐらいかなり深刻な話だ」(崔氏、以下同)
さらに、「ホルムズ海峡は原油だけでなく、肥料や農作物に関連するものも輸入している地域なので、日本の農業にも影響があるのではないか。それに伴う物価高が気になるところだ」と危惧した。
また、原油といえばプラスチックの主原料であるナフサもあり、医療現場への影響も懸念されるという。「原油に関しては備蓄がまだ200日以上あるが、ナフサは1カ月もないという話。ナフサはいろいろなプラスチック製品の原材料なので、医療現場などあらゆるところが詰まってしまう」。
グリーンエネルギーにシフトするという選択肢もあるが、そこまでの時間的猶予はないという。
「現時点ですでに経産省が出しているエネルギーに関しての計画書を見ても、グリーンエネルギーや水素エネルギーなど、分散を図っていく計画は出ているが、その計画も難しいという声が非常に多い。例えば、太陽光にしても風力にしても、中国に対してかなり依存度が高いので今すぐ是正できない。そうすると、高い原油を買うしかないのか、そもそも原油を輸入するのが非常に難しくなるかもしれないという意味では、夏ぐらいからいろいろなことが顕在化してくるのではないか」
(『わたしとニュース』より)
この記事の画像一覧
