■夏頃に物価上昇の影響が本格化か…「実質賃金がマイナスになり得る」
株価の乱高下に見舞われている日本経済だが、他にいつ、どんな影響が出てくるのだろうか。大槻氏は「最終的に消費者物価までに影響が到達するのにはラグがあるので、数ヶ月の可能性もあると思うし、それとともに今足元で起こっている円安の影響も同じく遅れて出てくるので、今すぐではなくて春の終わりあるいは夏ぐらいにその影響が本格的に出てくる」と指摘する。
「やはり物価というのは大きい。インフレ率が上がってしまうと、せっかく実質賃金がプラスになったが、これがまたマイナスになり得る。それが多分夏頃だ」
そんな今回の中東情勢には、ある特徴が見られるという。「意外だったのがドルの底堅さ。週末の様々なニュースを受けて、市場の動きで興味深かったのは、ドルが一人勝ち状態になっていて、円もユーロも、少し前まで非常に安全資産で強かったスイスフランも全部軒並みドルに対しては下がっていて、いざという時の安全資産のはずの金(ゴールド)まで下がっている。非常にドルが強いのが特徴的だ」。
現在のドルの強さの背景には、大きく2つの要因があると大槻氏は分析する。
「トランプ氏が就任してから『ドル離れ』ということも言われていたが、有事がこうやって来てみると他に逃避する先が結局ない。経済規模自体はやはり拡大しているので、成長を考えると安心であるということが一つ。それからエネルギー自給率、特に原油を自国で産出できているところの安心感がある」
大槻氏がドルの底堅さや強さが意外だったと語る一方、崔氏はこのドルの動きについて、資源国通貨が買われたと見ている。
「ドルが買われたというよりも、資源国通貨が買われたと見ている。確かにスイスフランは有事がある時に買われやすい。でも今回は売られた。なぜかと考えると、スイスはあまり資源がない。しかも今回相対的に強かったのはドル、豪ドル、ポンド。オーストラリアも鉱物などのいろいろな資源が取れて、イギリスも北海油田があって、7割はエネルギー自給を満たしている。そういった資源を持っている国の通貨が相対的に買われ、そうじゃないところが売られやすかった」
さらに、金に関しても言及する。「金は売られたが、日経平均や株価S&P500などの株価に比べると下げ幅は相対的に小さかった。また元の値段に戻ろうとして上がっているところを見ても、本当にドル一強だったら多分金にいかない。今後インフレ、通貨の価値が全体的に落ちてくことを考えていく投資家がまだまだ多いことを示している」。
大槻氏によりドルが底堅いという意外性が語られたが、長い目で見るとどうなのか。崔氏は「インフレで通貨の価値が落ちやすくなっていくと思っている」と見る。
「今は一旦ドルが買われた。しかし今ドルを発行しているアメリカの中央銀行が発行しているドルの量はリーマンショックの頃よりもはるかに多い。専門家などが『ケチャップマネー』とか『ヘリコプターマネー』と言うほどだ。金が上がっているというよりも、ドルの価値が静かに減価している状況はまだ続くのではないか」
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