5分、長崎のCKからの二次攻撃。右サイドのDF江川湧清がゴール前に放り込んだクロスが相手に当たって屈折し、ペナルティーアーク付近へとこぼれる。ここで牙を剥いたのが、FWチアゴ・サンタナだった。
背番号9は、猛烈に寄せてくる京都MF尹星俊を右腕一本で完璧にブロックして自由を奪うと、浮き球を右足と胸を使って正確に右方向へコントロール。そこからが圧巻だった。ゴールに背を向けた状態から、コンパスのように身体を鋭くねじり、左足を一閃。ショートバウンドを叩くように放たれたシュートは、文字通り「弾丸」のような速度でゴール左隅を射抜いた。
一瞬の出来事に、京都の守備陣は反応することすらできず、ただ呆然と立ち尽くすのみ。サンタナは満面の笑みでベンチへ駆け出し、チームメイトと抱擁。スタンドへ投げキッスを送り、ストライカーとしての矜持を見せつけた。
解説を務めた徳永悠平氏は「グラウンドがスリッピーな感じもあるので難しかったと思います。反転からのシュートが素晴らしかったですよね、ゴールに背を向けたまま。ゴールの位置は見えていなかったと思うんですよね。背中で感じながら振り向きざまで素晴らしいコースに飛ばしたので、本当にスーパーゴールだと思います」と、その卓越した空間把握能力を絶賛した。
ファンもSNS上で「このシュート、右手でブロックしつつゴール左下に振り切れる腰が何よりもすごい」「凄いゴール」「ブロックして反転左足」「全くゴール見てないよな」「これはすげー」「見てないのに決める」と、その理不尽なまでの破壊力に興奮を隠せない様子だ。
清水エスパルス時代の2022年にJ1得点王とベストイレブンに輝いたサンタナ。8年ぶりにJ1の舞台を戦う長崎にとって、これ以上ない頼れるエースであることを改めて証明した。しかし、光が強ければ影も濃い。前半途中に肩を痛めて負傷交代を余儀なくされた。中2日の過密日程のなか、次節の出場は叶うのか。逆転負けを喫したチームの行方とともに、背番号9の状態が深く案じられている。
(ABEMA de DAZN/明治安田J1百年構想リーグ)





