死刑囚の「24時間監視」は人権侵害か、当然の報いか 根底には「6カ月」の期限を超えた“長期拘置”の問題も

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■24時間監視の実態と法廷の判断

女性死刑囚 24時間監視に改善勧告
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 現在、死刑囚の24時間監視は国際的にも注視されている。国連の自由権規約委員会は2022年に「厳格に必要不可欠な場合に限り」ビデオ監視を行うべきとの所見を出した。また、国内の裁判例でも、東京拘置所で14年間監視された男性死刑囚の訴えに対し、東京地裁が「4年分は違法」と認め、その判決が確定したケースも存在する。しかし、大阪拘置所側は「対応に違法または不当な点は認められなかったものと考えている」との立場を崩していない。

 異なる立場を取る2人の弁護士の意見は、真っ向からぶつかった。監獄人権センター事務局長の大野鉄平弁護士は、死刑囚への過度な制約に警鐘を鳴らす。「死刑囚の処遇・拘置の条件は、拘置がそもそも執行の前段階の手続きならば、執行を確保するための条件であるべき。そういう意味では、それ以上の権利制約を科す根拠はない。ただし今の法律はそういう立場を取らず、未決と同程度ではなく、未決以上の厳しい制限を課している」と述べ、現在の処遇が制度的な矛盾を孕んでいると指摘した。

 これに対し、犯罪被害者支援を行う高橋正人弁護士は、被害者の「権利」という観点から真っ向から反論を展開した。「被害者には、国家に死刑を執行して制裁を代行してもらう権利がある。つまり本当であれば、ご遺族は自分で仇討ちをしたい、仕返しをしたい、復讐をしたい。しかし、そんなことを認めたら社会の秩序が乱れるので近代法はそれを禁止し、国家にその制裁を代行してもらっている。その代行してもらう権利を侵害してるのが、今の6カ月以上も経って執行しない、法務大臣に最大の責任がある」と語り、迅速に執行されないこと自体が被害者への人権侵害であると主張した。

 さらに高橋氏は、死刑囚が受けているとされる不利益についても「そもそも正座していられるだけ幸せ。殺された方は正座もできない。壁に向かって座ることもできない、トイレにも行けない」と述べ、死刑囚が生きていること自体が「恩恵だと思わないと困る」と突き放した。

■放置される「6カ月以内の執行」という法的矛盾
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