死刑囚の「24時間監視」は人権侵害か、当然の報いか 根底には「6カ月」の期限を超えた“長期拘置”の問題も

ABEMA Prime
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■放置される「6カ月以内の執行」という法的矛盾

死刑執行 法規定と現状
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 議論が深まるにつれ、出演者たちが共通して注目したのは、刑事訴訟法475条が定める「判決確定から6カ月以内の執行」という規定の形骸化だ。現実には死刑確定者の平均収容期間は16年5カ月に達しており、中には55年以上も収容されている者もいる。

 衆議院議員・門ひろこ氏は、運用実態について強い疑問を呈した。「実際に法律が形骸化していることについては、私も変だと思う。運用で裁量の余地があるから現場で揉めてしまう。私は行政官を20年してきたが『かわいそうという気持ちで行政をするな』と言われてきた」と分析した。門氏は、法律に明文規定があるにもかかわらず、運用の「ゆるさ」が生じている現状を危惧している。

 なぜ、法律に定めがありながら執行は進まないのか。大野氏は現場の切実な状況を代弁する。「死刑の執行にも、執行官にもかなり負担がかかる。一定の期間を過ぎたらサクサクと処刑するようなことは、普通の人間ではなかなかできることではない。それに加えて、この事件は本当に冤罪の可能性ないのかと真剣に考え始めた時に、人間の判断は揺らいでいく」と述べ、人の命を奪う判断の重さと、冤罪への懸念が執行を鈍らせている可能性を指摘した。

 議論の終盤においても、両者の主張が重なることはなかった。高橋氏は「その6カ月以上生存している、それを認めることを前提とした議論ですから、もうスタートラインが違っている」と述べ、長期間の収容を前提とした人権議論そのものを否定した。一方で大野氏は「犯罪被害者も死刑囚も全て人権は保障されるべきだ」と述べた。

 門氏は「基本的人権は、いかなる人であってもこれは保障されるべきものではある。どんな罪を犯した人であったとしても、その憎まれるべき人であったとしても、人権は保障されるのが近代国家の原則。ここは切り離して考えなくてはいけない問題だ」と語り、死刑制度の賛否とは別に、不必要な点があれば改善すべきとの見解を示した。
(『ABEMA Prime』より)
 

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