トランプ大統領の「勝利宣言演説」に専門家が違和感「NATOに言及なしは予想外」 各国の思惑と今後を分析

ニュース解説
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【映像】米軍がイラン軍を攻撃した瞬間(実際の様子)

 日本時間4月2日午前10時、トランプ米大統領はイラン情勢に関する重要演説を行った。この演説の意味するところと今後について、国際情勢ウォッチャーの武隈喜一氏が分析した。

【映像】米軍がイラン軍を攻撃した瞬間(実際の様子)

 トランプ大統領は演説の中で「勝利」という言葉を使い、イランの海軍・空軍、ミサイル能力、そして核保有能力を壊滅させたと宣言した。しかし武隈氏は、これが戦闘の終結を意味するものではないと指摘する。ネタニヤフ政権は「この機会を長引かせて、イランをもっともっと徹底的に叩く」ことを考えており、イスラエル軍によるイランやレバノン南部のヒズボラへの攻撃は続く可能性が非常に高いという。

 トランプ大統領がこの時期に演説を行った背景には、国内の経済不安への“焦り”がある。武隈氏は、ガソリン価格の高騰や株式市場への影響を懸念する米国民の不安を抑えることが、演説の大きな目的の一つだったと分析している。一方で、湾岸地域には日本駐留米軍を超える5万人規模の部隊が集結しており、武隈氏は「相手に脅しをかけながら早くディール(停戦交渉)に乗れと言っている」と、軍事的圧力を背景にした強硬な姿勢を読み解いた。

 日本にとって極めて重要な「ホルムズ海峡の今後」について、トランプ大統領は「アメリカに石油は必要ない」と断言し、依存する国々が自ら守るべきだとの持論を繰り返した。武隈氏はこの姿勢を「この今の状況を引き起こしたのはまさにアメリカとイスラエルの攻撃。ここで『あなたたちの勝手にしなさい』というのは、あまりにも無責任な態度だ」と厳しく批判。NATO(北大西洋条約機構)諸国も、米国が勝手に始めた戦争に関与することには国際法違反の可能性も含め強く反発している。

 なお、事前の報道で注目された米国のNATO脱退については、今回の演説で言及はなく、武隈氏もこの点は「目立った。予想とは違った」と指摘。武隈氏によれば、歴史的な指揮体系や予算負担の経緯から、大統領の意向だけで即座に脱退するのは現実的に極めて困難であるという。

 今後の展望について、武隈氏は日本の独自の外交努力の必要性を強調した。日米同盟を維持しつつも、「日本はイランとの対話のチャンネルをきちんと持って、日本へ向かうタンカーの安全を保証させる外交的取り組みがもっと求められる」と述べた。米国の一方的な論理に翻弄されるのではなく、伝統的に良好な関係を保つイランとのパイプを活かし、日本のプレゼンスを示すべき局面が来ている。

(ニュース企画/ABEMA

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