「サシ飲み」がわずか10分で終了?
沈黙の中、村上がメニュー表をめくる音だけが響く。
それに耐えかねたのか、村上が視線を上げて「電車?」と亘に質問。これに亘が「電車」と返したものの、2人の視線が合うことはない。
再び沈黙が続く。村上は引き続きメニューをめくり、亘は自身の靴下を整える。
不意に村上が鼻をすする。
それに対し亘が「花粉?」と聞き、村上が「花粉プラス副鼻腔炎」と答えたがまたしても両者の目が合うことはない。
21年一緒にいるとは思えないたどたどしい会話。ここで両者に飲み物が届いた。
村上の「とりあえず」という一言に亘も反応しグラスを手に取る両者。「お疲れ様でした」とグラスを合わせ「あー冷えてるわ」「美味い」などとドリンクの感想はこぼれたが笑顔はない。
その後2人は料理に箸を伸ばす。沈黙が続く中、亘が“会話の鉄板”とも言える家族ネタを展開する。
亘は「子どもはもう2歳になった?」と質問。これに村上は「上の子が2歳になって、下が8カ月」と答え、2人は「めちゃくちゃ可愛いでしょ?」「めちゃくちゃ可愛いね」「想像以上に可愛いよな」「想像以上に可愛いね」とこれまでと変わってテンポよく会話がなされたが、両者の表情は驚くほど硬い。
両者はグラスに手を伸ばす。
グラスを置いた村上は“限界”を悟ったのか「よし、じゃあそろそろスタッフさんに来てもらって…別にいいんだけど、(話が)進まないからこんな話してても」と苦笑いをしながら口にした。
重苦しい空気が流れる中、村上は「じゃあいいね? 積もる話ないね?」と確認し、亘は「特にはない」と小さくこぼした。
サシ飲み開始わずか10分で撮影スタッフを呼びにきた村上。
スタッフを招き入れながら、「すいません、話聞いてくれないと。僕ら別に気まずいわけじゃないけど、何を話していいか。普通の日常の雑談しかなくなるんで」と安堵を滲ませた表情で口にした。
スタッフを交え、再開された食事。
「この際、お互いに何か言いたいこととかありますか?」と聞かれた村上は「いや、特には…」、亘も「何もないよな…」と答えた。
「ネタを書く側として、相方がバイトをしていることに感じることはありますか?」という質問に村上は「そこは通り過ぎたというか、『お金がなくても、電気工事士の仕事をしている時間になにかおもしろいこと考えろよ』というのは20代ならあったかもしれないですけど、今はそこまで厳しい考えは持ってないです。収入を得るのも大事なことですし」と答えたが、その言葉を聞いている亘の表情に色はなかった。
互いを遠ざけているかのような2人だったが、フルーツポンチとしての一番の思い出だけは合致していた。
亘は「『爆笑レッドカーペット』のオーディションに行ったのが、一番のコンビとしての岐路だった」とこぼし、心なしか表情も和らいだように見えた。
村上も「あそこは大きいですね。嬉しかったし。初めてテレビのオーディションに受かったので。今までネタのオーディションは、大体面接の人が全く笑わないんで。『不機嫌なのかな』ってくらい笑わない。でも、レッドカーペットのオーディションに行ったら、会場のスタッフさんがむちゃくちゃ笑ってたんで。『え、こんなに笑うことあんの?』と思って。嬉しかったですね。それまで全部落ちてたんで」と語り、表情もわずかだが硬さが取れたように見えた。
ここで2人に答えづらい質問。
「お互い直してほしいところは?」
これに亘は「逆にそれをやりだしちゃうと、また不仲になる。たぶん、経験値として。だから指摘し合わない方がいい。多分、俺と村上の関係性だからということではなく、みんなにも絶対あると思うんです。言う・言わないのバランスを保たなきゃいけないというか」と答え、村上も「今の関係に何か手を加えるのは仲悪くなる可能性が9割ある。だとしたら今のほうがいいです。素直に『ごめん』とは言えないけど悪いという顔をしているな、と思って言うのをやめておこうとか。それが今の僕らのベストだと思っています」と同調。
さらに亘は「仲良くなることで面白くなくなるんだったら、面白い方をとると思います。このままでいいやって思っちゃいます」と続けた。
こうして2人の飲み会は終わった。この席で、村上も亘も相方への思いを語ることはなかった。
だが、互いの目がない劇場での単独インタビューでは明かしてくれた。
亘は村上への思いを問われ「やっぱ面白いですよね。性格悪いっていうところも面白さですし。くだらないこと追求しているのも面白いし。面白くないと思っていたら、多分(コンビ)組んではないですよね」と頷きながら答えた。
村上は「1人で何でもできるってほど、自信はないので。フルーツポンチとしてネタをやる方が、自分で1人やるよりも間違いなく良いっていう感覚はあるので。亘と組んでいなかったら、あのネタもこのネタも生まれていないのかと思うと、あのネタもこのネタも愛しいなって。そういった意味ではやっぱり亘と組まないと生まれなかったでしょうから。結局は」と打ち明けた。
(『ABEMA NEWS』より)
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