高市政権となって初めての当初予算が過去最大の約122兆円で成立し、本格的な国会運営が始まった。高市総理を間近で取材してきたテレビ朝日政治部の前田洋平記者は、その政治スタイルを「イケイケ」と表現し、前例に囚われない強気な姿勢と今後の課題について解説した。
高市総理のスタイルを象徴するのが、異例のスピード感だ。今年度の予算審議では、衆議院での審議時間が2000年以降最短となる59時間に設定されるなど、歴代政権と比べても極めて短い審議で採決が行われた。野党からは「責務を蔑ろにしている」との批判も出たが、前田記者は「年度内に予算を成立させないと国民に不利益になるという考えを、彼女は心の底から信じていたようだ。そのスピード感が世論に支持されているのでは」と分析する。事実、審議の短さに対する危惧が党内にある一方で、内閣支持率は高い水準を維持している。
今後の政策運営においても、高市総理は「全部同時」に突き進む構えだ。具体的には、国家情報局の設置を目指す「インテリジェンスの強化」、給付付き税額控除・消費減税を見据えた「責任ある積極財政」、そして「安全保障の抜本的改革」など、国の根幹に関わるテーマを並行して進めている。安倍政権が優先順位をつけて一国会一イシューのスタイルを取っていたのに対し、高市総理は圧倒的な議席基盤を背景に、これらを同時に成し遂げようとしている。前田記者は「自分で決めてバンバンと突き進んでいくスピード感が支持の要因だが、一方で自民党内には強引さに違和感を抱く議員もいる」と指摘し、周囲にブレーキをかけられる存在が不在である現状に懸念を示した。
外交面では、国内での強気な姿勢とは対照的に「安全運転」が目立つ。特にトランプ大統領に対しては、反論を避けて同意しながら方向修正を図る形に徹している。前田記者は、高市総理が316議席という安定した基盤を持っていることは外交上の大きな強みであるとしつつ、さらに長期政権を築く重要性を説く。「長期政権を築くことで、いろんな国との『貸し借り』が生まれ、(それが資産となって)強く出られたりするようになる」とし、現時点ではまだその資産を構築している段階であると分析した。
今後の課題について前田記者は、「長期政権を築くには、自分のやりたいことだけでなく、党内や野党など様々なところに気を配れるかがポイントになる」と分析する。前例を踏襲しない姿勢が期待を集める一方で、議会制民主主義のプロセスをどこまで尊重し、バランスを保てるかが、高市政権の真価を問う注目点となりそうだ。
(ニュース企画/ABEMA)

