14日、参議院外交防衛委員会において、社民党の福島みずほ党首がスパイ防止法などについて質問した。
福島党首は「令和7年8月15日石破茂内閣総理大臣の答弁書、『ご指摘のように各国の諜報活動が非常にしやすいスパイ天国であり、スパイ活動は事実上野放しで抑止力が全くない国家である、とは考えていない』と答弁しています。防衛省が2025年1月に特定秘密漏えい等に係る再発防止策に関する有識者会議に提出した資料では、防衛省におけるこれまでの情報保全事案が紹介されていますが、スパイ活動による情報漏えい事案は一つも取り上げられていません。このような状況のもとで国家情報局を設立することに、どのような必要があるのか? 現状の情報機関において捉えることのできないスパイ事例としてどのようなものがあるんですか?」と質問。
この問いに、内閣官房鎌谷内閣審議官は何度も福島党首の方に視線を向けながら「まずご指摘の質問主意書への答弁につきましては、これは『抑止力が全くないか?』という質問に対して、これまで警察当局により、政府・企業の秘密の窃取等を図る行為について、関連法令に基づいて、違法行為の取り締まりが行われているということを踏まえて『抑止力が全くないとは考えていない』旨を答弁したものです。また、ご指摘の防衛省の資料については、特定秘密の漏えい事案について記載をしたものであると承知をしております」と回答を続けたが、途中で「よろしいでしょうか?」と確認。
その後「現在の複雑で厳しい国際環境のもとで外国が日本政府や日本の企業の秘密を窃取するといった行為に対しては一層厳正に対処していかなければいけないと考えております」と回答を続けた。
福島党首は「『スパイ活動を行っている者がいないかを見分けるための情報収集を行う権限が与えられる』。国家情報局がどのような権限に基づいてどのような情報を集めようとしているのか? 法律上はそれが全く明らかではありません。法律には漠然と『特定活動について収集する』とだけ書いてあります。能動的サイバー防御法に基づいて入手をしているインターネット上の情報も、命令あるいは提出命令して国家情報局に集められるのでしょうか? 捜査の組織的犯罪のための通信傍受法案に基づいて集められた警察の資料はここに集められるんでしょうか? マイナンバーカードで集められている、あるいは、銀行等の預貯金やそういうものもここに集められるのでしょうか?」と立て続けに質問。
鎌谷審議官は「国家情報会議設置法につきましては、行政機関相互の関係を律するための法律でございますので、今、(福島)委員からご指摘がありました能動的サイバー防御を実施するためのサイバー対処能力強化法であるとか、あるいは、刑事事件における通信傍受とかやはりマイナンバーであるとかそういった枠組みについて、何ら変更を加えるものではございません」と答えた。
福島党首は「違うんです。『変更を加えるものであるかどうか』を聞いているんじゃないんです。各役所、警察とか公安とか防衛省の中とかいろいろなところにたくさんの情報が集められている。マイナンバーカードによって集められたものがある。それをそのままもらえるんですか?という質問です。能動的サイバー防御で集めた外内通信の情報はここに集められますか?」と再度質問。
鎌谷審議官は「例えばサイバー攻撃でございますけれども、国家を背景とした重大なサイバー攻撃というのが日常的に行われているところでございまして…」と答えたところで福島党首が自席から「集められるかどうかだけ教えてください」と指摘。
鎌谷審議官は「例えば、特定国によるわが国に対するサイバー攻撃の状況でありますとかあるいは新たな攻撃手法、そういったものにつきましては国家情報会議の審議調査に係る事項ということでこれは法律に基づいて資料や情報の提供がなされるものと認識をしております」と回答を続けた。
さらに福島党首は「いろいろな所で『目的外使用はしない』とかさんざん言ってきたのにこの国家情報局に、今の答弁で、能動的サイバー防御で集められたインターネット上の外内通信の情報が、来ることがあるということじゃないですか? だったら捜査のための通信傍受法に基づいた組織犯罪の情報は来ますか?」と質問。
鎌谷審議官は「行政機関についてはそれぞれ行政目的に沿って個人情報については保有するということになっておりますので、それは、サイバー関係の情報も刑事事件関係の情報についてもそうです。したがって、国家情報会議あるいは国家情報局についてもその目的に沿った個人情報の保有しか基本的に認められていません」と答えた。
福島党首が身振りも交えて語気を強めて質問
