「将棋界は斜陽産業」伝説のスピーチから約20年…中村修九段が明かす糸谷哲郎九段の素顔と有言実行の“挑戦”

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 しかし、若き日の糸谷九段が語ったスピーチには、実は続きがあった。「将棋界は斜陽産業である。僕たちの世代で立て直す」――。若くして優勝した舞台で、あえて現状への危機感を口にし、自らの手で未来を切り拓くという強烈な決意表明だったのだ。中村九段も「若くて優勝した時にそれを言う。すごいなと思って」と、その度胸と志の高さを称賛している 。

 その言葉は、決して単なるビッグマウスでは終わらなかった。中村九段は「彼は強い意識を持って、ずっと普及の方にすごく力を尽くしてきた」と語る 。関西を中心に若手棋士へ将棋を教えたり、様々なイベントを立ち上げたりと、中心となって精力的に活動してきた 。さらに棋士会の運営にも携わり、「本当に頭がいいですから、何でも難なくこなしてくれて、どうしても彼にみんな任せちゃうんですよね」と、周囲から絶大な信頼を寄せられ頼りにされている素顔を明かした 。

 そして有言実行の歩みは続き、2025年6月からは日本将棋連盟常務理事に就任。昨年度から理事という重責を担いながら 、同時に最高峰の舞台である名人戦の挑戦者として盤上でも結果を出している。中村九段は、対局前日の前夜祭での様子にも触れ、「本当は彼自ら先頭に立って(地元の市長らと)いろいろお話とかもしたかったと思うんですよ。理事としてね。でも対局者なんで、ある程度早い時間に集中してもらわなきゃ困る」と、普及への熱意とプレイヤーとして体を休めなければならない立場の間で揺れる様子を代弁した 。

「得難い棋士だなといつも思います」
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