早見は「深雪さんの内側で渦巻いていた感情や想いが、それぞれ独立してぶつかり合うというようなシーンもあるんです」と前置きして述べてくれた。「基本的には、お兄様の横に立つ司波深雪としてしっかりとした振る舞いができるのですが、内側にずっといた、ちょっと子どもっぽくてわがままで相手を揺さぶるような挑発や嫌味っぽい言い回しをするような深雪さんが出てきて。そのシーンでは司波深雪という人物の奥深さも見ていただけると思います」とのこと。
具体的な収録方法などを深掘りして聞いてみる。まず片方の深雪を演じて、その芝居を聞きながらもう片方の深雪を演じたという早見は「全然違う2人の深雪さんがいるというシーンなので、もちろん自分の声として聞くのですが、片方の深雪さんを演じている時は、もう片方の深雪さんは別の人が語りかけてくるような感覚にもなりました。振り幅が大きくて揺れ動いている、ひりつく感じがありましたね」と振り返ってくれた。
本作では兄妹や四葉家の秘密について言及される重厚な会話劇も多く描かれるが、自問自答のように自らと対峙して会話するというシーンは、歴代の『魔法科』シリーズの中でもほとんどなかったという。早見自身も「深雪さんにとっては、複雑な想いや立場や家柄というものがずっと心のどこかを占めていたと思うんです。そこに焦点が当たることで、これまでとは全然違う空気感を持った作品になっている気がしています」と言及していた。
深雪と達也の関係性とその変化が、本作のドラマの重要なポイントになることは間違いない。インタビューの中では、作中の2人のシーンについて言及する場面もあった。「お兄様にいろいろな決意を持って、ある想いを伝えるシーンもあるのですが、アフレコの時に自分としてもこれまでの積み重ねを感じられました。手元や表情のアップの映し方など映像としてもすごく素敵で……!」とほのめかす。
「2人がどういう落ち着き方を見せるのか、ある種ネタバラシみたいなところが一番面白くもあって、驚いてくれる方もいるのではないかなと思っています」と『魔法科』シリーズにおける大きな節目となる本作についてまとめてくれた。
「お兄様」である達也と、深雪の関係性がどのような着地を見せてくれるのか。『魔法科』シリーズの時系列を振り返りつつ、公開を楽しみにしてほしい。
取材・テキスト/kato
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